一雨ごとに森はその様相を変えてくれます
わが木洩れ日の森も、次第にその鬱蒼を増し
山荘を包み隠します
次第に、
猩々たちの森らしくなってきたようです
隠れ里、隠れ家、隠し扉・・・などなどと
隠された場所はなんだか秘密めいていいですねー
「
壺中の天」もそうですが、魅惑的な場所は常に隠されているのです
小雨に煙る森
鬱蒼のノエルの森
冬枯れの、あのあっけらかんとした森は
もうそこにはありません
その奥に山荘があることなど
誰が、気付くでしょうか
その山荘がまた墨色
なおさらです
そんな森がひとたび
霧にでも包まれようものならば
妖しの気配さえ漂うようです
そんな森にぽっかりと穿たれた
木々の随道
その下ならば濡れずに通れそうです
異次元へのタイムトンネル、橋掛
一人静やレンゲショウマの小路を行くと
やがて古い枕木の階段
新緑のニシキギの影から
黒犬ノエルの顔が見えてきます
軒からの雫をよけながら段を上ると、そこはもう能舞台?
めんどくさそうに
ノエルが行く手を空けてくれるでしょう
そして、その先には
赤っぽい漆の引き戸
昔々の時代劇
番頭さんが夜半にそっと出入りした
そう
あのくぐり戸です
ガラガラと引くと
時代の音が響きます
そして
腰を屈めてお入りくださいな
魅惑の壺にでも
お入りになられるように
そんな
猩々の森をお肴に
一献
いかがでしょうか
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