2011年 07月 07日
先日図書館からお借りした本です 小泉武夫著 「酒 肴 奇 譚」 「語部醸児之酒肴譚」とサブタイトルにあるように、このお方 酒造家出身の農学博士、専門は醸造学、発酵学の東京農大名誉教授なる肩書き これがなかなか面白い お酒と酒肴にまつわる面白話の数々 ●大江戸酒合戦とか ●奇酒珍酒、とか ●臭い酒、などなどの項はただ ”あはは!”へー”と笑って読み飛ばすのですが さて、これが酒肴のお話となると、実に旨そうでして、決して読み飛ばすわけにはいきません 極上の珍味のお話に涎を垂らし、旬の肴に生唾を飲み込みます 数々の酒の肴に関する逸話、またそのレシピに至るまでの紹介なのですが 板さんの仕草が見えるよう、また盛られた様も見えるようで、実に旨そうなのです 随分とめづらしいお肴も数多いのですが ついつい試したくなるような、実に単純で粋な肴のお話にも至ります ::::::::::::引用 「雪虎」(ゆきとら) なるべく厚身の揚げ豆腐を炭火の上の餅網にかけ、濃い目の鼈甲色になるまで焼きます。 これを適当に切りまして、その上に新鮮な大根卸しをたっぷりとかけ、醤油をちょうとつけながら食べるのであります。 虎の肌の色に似た厚揚げ豆腐に白い大根卸しがかけられた風情から、この肴を「雪虎」(ゆきとら)ともうします。 もし大根卸しの代わりに、青みが濃い葱を刻んで撒きましたら、これが竹林に見え隠れする虎となりますので「竹虎」とでも称しましょう。 実に味わい深い肴であります上に、簡単で安価ですので、どんな酒の肴にもピタリであります。 「昼の月」 また、生の大根を素朴に味わう肴として、厚く皮をむいて、薄めに輪切りにした大根の下半分の辺に生の芹を数本添え 左上辺には丸く切りとった1センチメートルほどの黄橙の皮をのせます。 これを醤油でいただくのでありますが、大根の純白は真昼を思わせ、その下の方の芹は緑の大地、空には黄橙の月といった風情が宿りますので これすなわち「昼の月」とさせていただきました。 味と香りと歯ざわりに、誠に哲学的な味覚を感じます。やや甘口の酒を脇に置いてコピリコピリと飲りながら、この「昼の月」をシャリシャリと楽しんでくださいませ。 :::::::::::: 別に珍しいお肴ではないですが ちょっと小粋な能書きを付けると、また別の風情となるのも不思議です 森の草庵にての一人酒のお肴としましては、この程度で充分です これならば、我が家のシェフがいなくとも、なんとかなりそうなので試してみましよう また、鰻の焼き方にも工夫を凝らしています 一風変わったやりかたで鰻を焼き、それを肴にして純米酒を飲るのも風流なものです。 ちょっぴり贅沢な気分に浸りたい時、一人書斎でしみじみと飲みたい時、遠方から友来たりまた楽しからずやといった時、そして正月休みの第一日目 明日も明後日も仕事がないといった幸福な時には、ぜひこの方法でお楽しみください。 と前置きして ::::::::::::引用 まず鰻屋にいって白焼きを買って参ります。蒲焼ではなくその前の白焼きですので、お間違えなさいませぬように。 次に七輪か電気コンロでなべに湯を沸かし、その鍋の上に、ちょうど蓋になるような大きさの皿をのせます。皿は下からの湯気で、常に熱さを保っていますから その皿の上に白焼きを何枚か乗せて暖めます。 山葵醤油と大根卸し醤油を用意し、熱くなった白焼きを箸でつつきながら、この両方のタレを交互につけて、辛口の純米酒を熱めの燗で楽しむわけであります。 これを一人でやりますと、風流心が腹の底から湧き出して参りまして、自然に一句出たり、また侘び寂びといった哲学的情緒も味わえます。 一方、同僚と二人で飲りますと、さしずめ江戸の武士のような引き締まった心境になります。・・・ :::::::::::: なるほどなるほど 深々と雪の降るころ、是非にもやってみたいですねー などなどと、酒好きをくすぐるような風情のレシピが面白い 図書館からお借りした本なのですが この本は是非とも手元に置きたいと またもやAmazon.co.jp おばクリックしてしまいます にほんブログ村
by takibiyarou
| 2011-07-07 09:57
| 雑観
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