お酒にまつわるおはなし - その1
先日読んだ小泉武夫著 「酒 肴 奇 譚」 の中で江戸期のお酒の輸送として菱垣廻船(ひがきかいせん)、樽廻船(たるかいせん)などに触れた部分があり、興味を惹かれましたので、追加検索してみました
富士見酒(ふじみさけ)
富士山を眺めながら露天風呂にて飲むお酒、もなかなか良いものでしょうけれど
ここでいう「富士見酒」とはちと違います
勿論、ノエルの森のある富士見町で醸されたお酒のことでもありません
下りもの
江戸の頃、灘、の上方のお酒は非常に上質で美味しいとされ
大消費地の江戸に下って送られてきました
これを「下り酒」と呼びました、そうな
(反対に上方以外のお酒は「下らない」お酒といったそうです)
なかでも新酒が杉樽に入れられ、馬の背に揺られて運ばれますと
その揺れ具合で樽熟成が進み大変美味しくなると
そして東海道を富士山を見ながら下ってきたことから
「富士見酒」とも呼ばれ、持て囃されたそうです
また後には垣廻船(ひがきかいせん)、樽廻船(たるかいせん)で運ばれるようになりますが
せっかく運んできた樽を江戸では降ろさず、そのまま上方へ戻すこともあったようです
スギ樽の香りがほどよく移り、樽熟成も充分に進む
これを特に「戻り酒」とよんで珍重されたそうです
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