木洩れ日の森から

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2005年 04月 02日

走り花 「狩」に掲載された入選句

俳誌「狩」に掲載され

誌上にて鷹羽狩行先生をはじめ諸先生方の

御批評・御解説を賜りました

2007
余 生 な ほ 余 勢 の あ り て 花 種 蒔 く


なんと前向きな句だろう 私が望むのは静かな余生より明るい余生とばかりにやがて美しく咲く花の姿を想像しながら種を蒔いたのだ
どうおんの「余生」と「余勢」を並べた上五中七のリズムが心地よく
作者の弾むやうな気持が伝はつて来る






夫 の 留 守 夫 の 嫌 ひ な 蕗 を 煮 て

「夫」の字を二度も繰り返して強調している点に、夫への深い思いやりがしのばれる。だが、その思いやりが常日頃の心づかいの忙しさ・うるささを伴うので、今こそとばかり”鬼のいぬ間の洗濯”と出たところがユーモラス。
夫本位で生きてきた妻の”愛憎共存”の俳句化。




ぶ つ か り て 先 を 争 ひ 流 し 雛

流し雛が出発したばかりのところか。川の面を埋め尽くすように
数多い流し雛が波に揺れ、それぞれ衝突しあい、われ先に流れてゆこうとする、と見た。流し雛は、岸に引っかかり、渦に巻き込まれたりの難関を突破しても、いずれは紙もほとびて沈んでしまう、だのに先を争うとは・・・。人生行路の縮図か。




地 芝 居 の 憎 ま れ 役 の に く か ら ず

秋の取り入れのあと、村の素人が集まっての村芝居。歌舞伎の悪役は憎い上にも憎々しい演技を見せるものだが、素人ばかりの村芝居であるから、悪役がいっこうに悪に徹していない。たぶん、ワルにいじめられる善人の役も、あまり哀れではないだろう。




兄 弟 の 喧 嘩 の 元 は 喧 嘩 独 楽

兄弟喧嘩は、人間の思いやりや愛情を育てる上に大切な素材になっているという人が居る。喧嘩の元を喧嘩独楽からということを詠ったのは面白い。




足 取 り も 少 し 気 取 っ て サ ン グ ラ ス

サングラスをかけて街に出た。眼の保護用のではなくてファッショングラスである。サングラスをかけることで背筋を伸ばし気取って歩きたくなる女性心理機微をついた。




蟷 螂 の 草 原 跳 ん で 来 し 青 さ

蟷螂はもともと青いのです。しかし作者は青々とした草原を跳んで来たためにと見たのです。これが詩です。視点をちょっと変えることであたり前のことが詩的にになるのです。このような捉え方をを参考にして欲しいのです




下 草 の 刈 ら れ し 松 の 男 ぶ り

手入れしたら松の男ぶりがあがったといううのではなく、下草を刈ったら松の足元がさっぱりして男ぶりを取り戻したという句。よほど茂っていたと思われる。旧道に面した土手あたりの一里塚のような松だろうか。下草を刈るのも年に一度ぐらいか。松自体は年季が入って堂々としているのだが、回りがだんだん荒れるにまかす用になっているのだろう。男ぶりと言い切って清々しい。



チ ー ズ 切 る ナ イ フ の く も り 巴 里 祭


「巴里祭」には何か甘く、切ない思いが伴うようだ。「フランスはあまりに遠し」と歌った朔太郎の「旅上」や、下町の哀歌」を描いた映画「巴里祭」が思い浮かぶせいであろうか。口に慣れきってはいても、異国の風味を持つ「チーズ」と、切った「ナイフのくもり」のかすかな憂愁が、どことなく「巴里祭」と触れ合うものがあって、共感を覚える。





春 雷 に 鳴 り を ひ そ め て 千 羽 鶴

千羽鶴は、千代紙で折ったものだから鳴いたりすることはないが、その千羽鶴がさも春雷のために鳴りをひそめているように、この作者は感じたという。千羽鶴に命を与えていて、千羽とも鳴りをひそめている。千羽鶴は病人の回復を願って作られることがおおいものであるから、千羽に命が籠もっているのだ。




帰 省 子 の 東 京 弁 の 身 の つ き し

標準語でなくて東京弁がいい。東京は大きな田舎に過ぎぬ。勇み立って上京した子供が帰省して話すのに、ときどき「そんでさあ」なんて言葉が入る。こうやって何でも親に話して聞かす間は安心。東京弁が「身につく」までの子供の成長過程も想像させる。
帰省して家を掻き回し(親は喜んで掻き回され)ている団欒図である。




生 活 水 加 へ て 溝 の 梅 雨 出 水

溝には、梅雨の増水に加えて、各家が出す生活排水が・・・。
しかし、これは逆で、毎日の生活排水が流れていて、梅雨出水が闖入者。ただ逆に謡っただけです。しかし俳句のこつ(秘訣)とは、こういうことではないでしょうか。







■ 走り花

■ 「狩」に掲載された入選句

    誌上にて鷹羽狩行先生をはじめ諸先生方の
    御批評・御解説を賜りました

■ 受 賞 句

    マスメディアに取り上げられたり・賞を頂きました


私なりに選び集めました

■ 走り花 春 

■ 走り花 夏 

■ 走り花 秋 

■ 走り花 冬 

■ 走り花 新年

■ 五 七 五

by takibiyarou | 2005-04-02 11:30 | 五 七 五 | Trackback | Comments(0)
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