人気ブログランキング | 話題のタグを見る

木洩れ日の森から

komorebit.exblog.jp
ブログトップ
2006年 11月 16日

“ほんもの”の船ランプ

今回帰郷の新幹線に持ち込んだのは、白洲正子「“ほんもの”の生活」
白洲正子ご夫妻の旧白洲邸「武相荘」が記念館としてオープンしたときに出版された本です
当代一の目利き、“ほんもの”を知る唯一の人といわれた白洲正子さんの知られざるエピソードがたくさん盛り込まれています
鶴川の「武相荘」の所蔵品やしつらいが素晴らしい写真で見られるのがとても嬉しいです
白洲正子さんは元華族の家柄、我々庶民とはあきらかにスタート自体が違います
しかし鶴川の田舎屋での暮らしの中であらゆる美に対し厳しい眼差しを向け“ほんもの”を見抜くその眼力とセンスには敬服あるのみ、所蔵品の器に活けられたお花を見ていると“ほんもの”素晴らしさが実感として見えてくるようです
生け花の話、器の話、着物の話、そして能の話、あらゆるものの“ほんもの”が少しは見えてきそうかな、そんな錯覚もまたたのしみです
この間山荘で求めた「李朝の箪笥」も白洲夫妻の好まれた物として登場します、もちろん我が家の品とは格段の差はありますが、それはそれで楽しいものです

そして今回その写真に新しい発見が有りました
旧白洲邸の土間の格子越しに後ろのランプの灯りが見えます
漁船の「船ランプ」に電球を仕込んだ物のようです
鉄製の提灯形の実用本位の古いランプです

これを見つけたときには本当に驚きました
実はこれと同じものが実家に有るのです
父がどこからか手に入れてきて、やはり電球を仕込んで玄関にぶら下げていたのです
もちろん時間の止まった田舎ですから今でもぶら下がっています
たかが古い「船ランプ」ではありますが、同じものを白洲正子さんがお持ちとは、これほどうれしいことは有りません

ほんものの「船ランプ」と、一人 悦に入ります


“ほんもの”の船ランプ_d0082305_5533958.jpg


旧白洲邸の「船ランプ」
写真は新潮社 白洲正子「“ほんもの”の生活」
より拝借拡大いたしました

by takibiyarou | 2006-11-16 05:54 | 雑観


<< 風 呂 敷 包 み      瀬戸のデビラ >>