高原の秋もその準備の真っ最中
そんな中をお散歩すると、秋のお花と出会えます
「秋の野に咲きたる花を指折りかき数ふれば七種の花」
山上憶良、「万葉集」でしたでしょうか
この七種の花を「秋の七草」と呼ぶようですが
幾つ上げることが出来ますか
「春の七草」は言えても「秋の七草」はススキ、桔梗、女郎花くらいで詰まってしまいます
「萩の花尾花葛花瞿麦の花女郎花また藤袴朝貌の花」
やはり山上憶良
そんな「秋の七草」をお山の散歩でも幾つか見つけることが出来ます
■萩の花(はぎのはな)
萩と名のつく植物はたくさん有りますが、山萩のことでしょうか
葉を落とした枝を束ねて箒(ほうき)にしたといいますが、ほんとでしょうか
■尾花(おばな)
ススキの穂を動物の尾に見立てて、尾花とか
屋根を茅(かや)で葺く(ふく)とか
茅とはアシ、ススキ、チガヤなどの長い繊維の葉や茎を持つ植物の総称だそうです
■葛花(くずのはな)
根から採った葛でんぷんは風味がよいため製菓用されます
「葛花は酒を出す」と言われ、二日酔い止めに飲む人もいます
葛花の薬用酒を飲むと、悩みは解決するかもしれません
近くに「葛窪」なる地名があるので古くから自生していたのでしょう
■撫子(瞿麦)(なでしこ)
中国からの「石竹」をカラナデシコ(唐撫子)と呼び、日本の花はヤマトナデシコ(大和撫子)と呼ばれましたが
その花の可憐さから、古風な日本女性を形容するようになったそうです
また源氏物語で、撫子は幼児のことらしい
■女郎花(をみなへし)
オミナエシの別名は敗醤といい、つまり醤油の腐ったようなにおいということらしい
そんないやな匂いの記憶は無いのですが
古い時代、「
オミナメシ」と呼ばれていたそうな・・・
よく似たオトコエシの白い花を白米に例えて、オトコ飯からオトコエシとの説もある
■藤袴(ふじばかま)
生草のままでは無香、乾燥すると茎や葉は桜餅に似たさわやかな芳香となり、お湯に入れたりするらしい
■朝貌の花(あさがほのはな)
「朝貌の花」は古来より、桔梗であろうと言われています
古書にはアリフキという名もあり根元にアリの山が必ず数個できるそうです
韓国では「トラジ」の名で親しまれ、白花が好まれたようですね
お山の桔梗は薄紫です
ひっそりと秋の野に咲く花たちを
過ぎ行く季節の名残花
七種の花
秋の七草