カテゴリ:五 七 五( 15 )


2005年 04月 02日

走り花 「狩」に掲載された入選句

俳誌「狩」に掲載され

誌上にて鷹羽狩行先生をはじめ諸先生方の

御批評・御解説を賜りました

2007
余 生 な ほ 余 勢 の あ り て 花 種 蒔 く


なんと前向きな句だろう 私が望むのは静かな余生より明るい余生とばかりにやがて美しく咲く花の姿を想像しながら種を蒔いたのだ
どうおんの「余生」と「余勢」を並べた上五中七のリズムが心地よく
作者の弾むやうな気持が伝はつて来る






夫 の 留 守 夫 の 嫌 ひ な 蕗 を 煮 て

「夫」の字を二度も繰り返して強調している点に、夫への深い思いやりがしのばれる。だが、その思いやりが常日頃の心づかいの忙しさ・うるささを伴うので、今こそとばかり”鬼のいぬ間の洗濯”と出たところがユーモラス。
夫本位で生きてきた妻の”愛憎共存”の俳句化。




ぶ つ か り て 先 を 争 ひ 流 し 雛

流し雛が出発したばかりのところか。川の面を埋め尽くすように
数多い流し雛が波に揺れ、それぞれ衝突しあい、われ先に流れてゆこうとする、と見た。流し雛は、岸に引っかかり、渦に巻き込まれたりの難関を突破しても、いずれは紙もほとびて沈んでしまう、だのに先を争うとは・・・。人生行路の縮図か。




地 芝 居 の 憎 ま れ 役 の に く か ら ず

秋の取り入れのあと、村の素人が集まっての村芝居。歌舞伎の悪役は憎い上にも憎々しい演技を見せるものだが、素人ばかりの村芝居であるから、悪役がいっこうに悪に徹していない。たぶん、ワルにいじめられる善人の役も、あまり哀れではないだろう。




兄 弟 の 喧 嘩 の 元 は 喧 嘩 独 楽

兄弟喧嘩は、人間の思いやりや愛情を育てる上に大切な素材になっているという人が居る。喧嘩の元を喧嘩独楽からということを詠ったのは面白い。




足 取 り も 少 し 気 取 っ て サ ン グ ラ ス

サングラスをかけて街に出た。眼の保護用のではなくてファッショングラスである。サングラスをかけることで背筋を伸ばし気取って歩きたくなる女性心理機微をついた。




蟷 螂 の 草 原 跳 ん で 来 し 青 さ

蟷螂はもともと青いのです。しかし作者は青々とした草原を跳んで来たためにと見たのです。これが詩です。視点をちょっと変えることであたり前のことが詩的にになるのです。このような捉え方をを参考にして欲しいのです




下 草 の 刈 ら れ し 松 の 男 ぶ り

手入れしたら松の男ぶりがあがったといううのではなく、下草を刈ったら松の足元がさっぱりして男ぶりを取り戻したという句。よほど茂っていたと思われる。旧道に面した土手あたりの一里塚のような松だろうか。下草を刈るのも年に一度ぐらいか。松自体は年季が入って堂々としているのだが、回りがだんだん荒れるにまかす用になっているのだろう。男ぶりと言い切って清々しい。



チ ー ズ 切 る ナ イ フ の く も り 巴 里 祭


「巴里祭」には何か甘く、切ない思いが伴うようだ。「フランスはあまりに遠し」と歌った朔太郎の「旅上」や、下町の哀歌」を描いた映画「巴里祭」が思い浮かぶせいであろうか。口に慣れきってはいても、異国の風味を持つ「チーズ」と、切った「ナイフのくもり」のかすかな憂愁が、どことなく「巴里祭」と触れ合うものがあって、共感を覚える。





春 雷 に 鳴 り を ひ そ め て 千 羽 鶴

千羽鶴は、千代紙で折ったものだから鳴いたりすることはないが、その千羽鶴がさも春雷のために鳴りをひそめているように、この作者は感じたという。千羽鶴に命を与えていて、千羽とも鳴りをひそめている。千羽鶴は病人の回復を願って作られることがおおいものであるから、千羽に命が籠もっているのだ。




帰 省 子 の 東 京 弁 の 身 の つ き し

標準語でなくて東京弁がいい。東京は大きな田舎に過ぎぬ。勇み立って上京した子供が帰省して話すのに、ときどき「そんでさあ」なんて言葉が入る。こうやって何でも親に話して聞かす間は安心。東京弁が「身につく」までの子供の成長過程も想像させる。
帰省して家を掻き回し(親は喜んで掻き回され)ている団欒図である。




生 活 水 加 へ て 溝 の 梅 雨 出 水

溝には、梅雨の増水に加えて、各家が出す生活排水が・・・。
しかし、これは逆で、毎日の生活排水が流れていて、梅雨出水が闖入者。ただ逆に謡っただけです。しかし俳句のこつ(秘訣)とは、こういうことではないでしょうか。







■ 走り花

■ 「狩」に掲載された入選句

    誌上にて鷹羽狩行先生をはじめ諸先生方の
    御批評・御解説を賜りました

■ 受 賞 句

    マスメディアに取り上げられたり・賞を頂きました


私なりに選び集めました

■ 走り花 春 

■ 走り花 夏 

■ 走り花 秋 

■ 走り花 冬 

■ 走り花 新年

■ 五 七 五

by takibiyarou | 2005-04-02 11:30 | 五 七 五 | Trackback | Comments(0)
2005年 04月 02日

走り花 新年


袴はくまでのおしゃべり弓始


吊り処なきまでの献灯初社


貰ふまで膝を崩さずお年玉


餅を焼く炭もふるさとよりのもの






初風呂や父の自慢の力瘤


湾沿ひに連なる尾灯恵方道


ねんごろに注文受けて初商


片言を母が通訳初笑ひ






点前より道具ほめられ初茶会


手ばなしで笑えぬ話女正月


人目引く様に風呼び懸り凧


書初めの捨てたものでもない我流






表具して見れば上出来描初


まだ海鼠噛める幸せ年の酒


犬もまた主にならひ寝正月


衰えし眼みひらきかるた取り






同齢の淋しき数の年賀状


人のものみなよく見えて福袋


まっさきに受けし烏の御慶かな


カラオケが罅を殖やして鏡餅






初日待つ私語をつつしみ軒雀


早いもの勝ちにつられて買初め


約束の行先忘れ夢始め


白菜の四つ割り庖丁始めかな






大型の机に替へて屠蘇祝い


何糞の面をとられて初稽古


衝動にかられれるままに買始め


八起きまだかなふ齢や初みくじ






よく笑ふ嫁が読み手の歌かるた


初夢の世は青春の真只中


聞く耳を持てば応へて初音かな


お年賀のお菓子おめでたづくしかな






助っとはやっぱり夫夢始め


女正月酔わねば言へぬ話など


新婚の居間に挨拶嫁が君


病むよりはましの関白薺粥






■ 走り花

■ 「狩」に掲載された入選句

    誌上にて鷹羽狩行先生をはじめ諸先生方の
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■ 受 賞 句

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■ 走り花 春 

■ 走り花 夏 

■ 走り花 秋 

■ 走り花 冬 

■ 走り花 新年

■ 五 七 五

by takibiyarou | 2005-04-02 11:28 | 五 七 五 | Trackback | Comments(0)
2005年 04月 02日

走り花 冬


目貼りしてはらから遠くなる思ひ


泣きごとに耳だけかして日向ぼこ


嘘言へず本音も言へず懐手


介添えの方が疲れて神無月






湯豆腐に行儀作法もいらぬ仲


目つむりて分別くさき懐手


吸い物の湯気にもむせて風邪心地


貼り替し障子二代の桟の艶






なぜなぜにいちいち答へ夜が長し


てこずりて引きし大根素直なり


暖まる間もなくバスの来る焚き火


日の目見ぬままに晩年日向ぼこ






炬燵より膝が気に入り貰ひ猫


着ぶくれののらりくらりと言ひのがれ






食い違ふ話に炭火も跳ね通し


看取りがひなきとおもへど布団干す


ぼろ市の鳴かせて見せる鳩時計


夜神楽の終の太鼓が児を覚ます






団欒の話をそらす冬の蠅


着ぶくれてゐても育ちの争へず


衰へか今が盛りか枇杷の花


おくやみの言葉をためて白マスク






顔色がどうのこうのと日向ぼこ


退屈な顔を持ち寄り日向ぼこ


吐く息に面を濡らして寒稽古


煎薬の効きめゆっくり日脚伸ぶ






椎の実のごとき幼の毛糸帽


裸木の気魄は枝の先にまで


着ぶくれの色に出やすき下心


世に遅れとるかも知れず日向ぼこ






生きの良き蟹に手こずり年詰まる


退院のあてなき人の日向ぼこ


しはぶきも売り声並の行商女


晩年の一打の重み除夜の鐘






毛糸編む膝にたまりし空の色


義士祭や賽銭箱に一斗樽


日当たりが良くてゆっくり眠る山


黙読のかわるがわるに咳こぼし






頬杖の影みじろがず日脚伸ぶ


落石の音もうつろに山眠る


飯食のあとの狼藉神楽果つ


よどみなく経を諳んじ十夜婆






人の訃に中州の翳りゆりかもめ


郵便受けからっぽ寒き日なりけり


煤払ふ寸にも足らぬ鍍金仏


我慢にも程というもの懐手






貝らしき音を掬ひて闇夜汁


笑ひ声闇にふやして闇夜汁


繰り返す電車の遅れ雪催


忌に集ふ炬燵に婚のはなしでて






寒菊のいつまで力ぬかぬ赤


返り花はにかみ笑ひほどに咲き


兄弟の意地の張り合ひ寒稽古


先ざきの事はさておき日向ぼこ






別荘のどこも灯りて去年今年


忍び寄る看取り疲れに風邪の神







■ 走り花

■ 「狩」に掲載された入選句

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■ 受 賞 句

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■ 走り花 春 

■ 走り花 夏 

■ 走り花 秋 

■ 走り花 冬 

■ 走り花 新年

■ 五 七 五

by takibiyarou | 2005-04-02 11:26 | 五 七 五 | Trackback | Comments(0)
2005年 04月 02日

走り花 秋


盛装の帯に疲れて菊人形


日向にも及ぶ高野の紅葉冷え


蓑虫の雨に飽きたる顔を出す


見られゐるときには跳ねず水馬



つくばいの水黒びかり望の月


天平の礎石この世の木の実打つ


猪垣を見てより山の臭い出す


海からの風しか知らず除虫菊



背もたれのなき石の椅子秋湿り


月光に馴れて静まる塒鳥


何もせぬ疲れ勤労感謝の日


真似出来ぬ母の生きざま墓洗ふ






うつたへのあるかにつくつく法師蝉


盲縞着せられあどけなき案山子


鳥籠を軒にもどして尼日過ぐ


舫ひ綱張る秋潮を振り落とし



老いてなほ田畑減らさず豊の秋


子を孫を帰してよりの火の恋し


天高しことに天文台の天


色変へぬ松人情の厚き村






地の息吹聞かむと伏せて残り菊


下手なりに喝采浴びて敬老日


コスモスの風ほしからむ地下花壇


萩活けしものより売れて陶器展



月光に応へて名古屋城の鯱


若者の明るき会話黄落期


色づきし美男葛を活け嫁さず


十人に撮られ十色の紅葉山



神木を仰げとばかり法師蝉


柿を捥ぐ同じ日ざしに石仏


骨董が好きで長居の盆の僧


活けられて一触即発まゆみの実



毬栗の踏めば心につきささる


どの花ものけぞり咲きの菊日和


小魚の味見に舌を焼く厄日


縄跳びの音にも爆ぜて鳳仙花






コスモスの地震おさまりてよりの揺れ


星よりも早く灯して星祭


うろこより小さき機影鱗雲


稲架の馬ふんばり甲斐のなき不作



供華供物似たりよったり盆の墓


流灯のさみしがりやは群れを出ず


手に取れぬものほど見事烏瓜


日の目見ぬものをふやして葛の花










■ 走り花

■ 「狩」に掲載された入選句

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■ 受 賞 句

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■ 走り花 春 

■ 走り花 夏 

■ 走り花 秋 

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■ 五 七 五

by takibiyarou | 2005-04-02 11:24 | 五 七 五 | Trackback | Comments(0)
2005年 04月 02日

走り花 夏


曝す書の張り失はず麻表紙


食べしことすぐに忘れて生身魂


箱庭の水なき川の水車小屋


肉を焼くワインの炎パリー祭






毬ついて地にはとどかぬ手毬花


摺り鉢の底明るすぎ蟻地獄


ボート漕ぐ嫁の決まらぬ者同志


黴もまた母の匂ひの形見分け






銅像のまなこするどき木下闇


糠床を後生大事に生身魂


鳴きに来るにいにい蝉や忌中札


甚平や見て見ぬ振りの出来ぬらし






後ろから前から通夜の扇風機


山蟻のあだやおろそかならぬ数


帰省子を加へ文殊の知恵そろふ


横書きで来る子の便り聖五月






肩の凝る様な夢みて昼寝覚


掃除機の音をひきづる梅雨畳


児はあやし兄は叱りて天瓜粉


葉桜に寄り葉桜の気を貰ふ






玄米にこだはりつづけ夏を病む


火の色を風に煽られ凌霄花


道楽のあとふり返り土用干し


うつくしき人にもなやみサングラス






臨月の腹をかばひて茅の輪抜け


発掘の木篦手に手に夏帽子


名水も交じり苗代水となる


太陽が噴水の穂をさそい出す






肩巾に余る夏帽行商女


向日葵のみなうつむきて霊柩車


サングラス背中向けても吠える犬


母の日の母も飲めよと赤ワイン






母の日の母は御馳走もてあまし


人ごとのやうに母の日小商


帰省子の父におとらぬ飲みっぷり


帰省子の近寄り難き不精髭






十薬を咲かせ病院裏に住む


コピー機の律儀に写す紙魚のあと


風鈴のひとりにさびしすぎる音


裏町が好きで通ひしつばくらめ






更衣はやりすたりのなき絣


歯切れよきこともひと味夏料理


若者の愛はあけすけ砂日傘


箱庭の一天かげる影法師






牡丹の百花背にして多聞天


太りたくなくて食べたし終戦忌


裏見せぬ滝を横から斜めから


帰省子の胃袋小さくなりしかな






甚平の泰然として自若かな


野の花を活け込み避暑の第一夜


たたみ皺かぶりて伸ばす夏帽子


せはしげな世をばせかせて油蝉






みどり児の眉のぴくりと日雷


帰省子を壁にもたれて待つギター


箱庭の山河を越えて飛ぶ落葉


長生きを励まし合うて終戦忌






一杯のワインの火照りパリ祭


曇りのち晴れを予言のせみの声


世の一歩先を歩めと道をしへ


おのが香に酔うてうつむくかのこ百合






甚平や世のしがらみに遠くゐて


火口へと降りてこの世の汗を拭く







虫干しの一つ一つにある思ひ


鮎解禁かたまって釣る一人釣る


新茶汲む齢にはかてぬ物忘れ


長病みを知らぬ夫の更衣






人並みが好きで祭りの寄付もまた


船虫の群れて船虫色の岩


父の日や父の好みを知りつくし


病院の非常階段雲の峰






検眼の窓に立夏の城近し


飴湯売るうしろ大原美術館


有線で流す人の訃麦の秋


到来のどれも遜色なき新茶






雲の峰めざすごとくに救助隊


風騒ぐほどには散らず夏落葉


尺取の機械仕掛けに似し歩み


銅像の背広緑雨をしたたらす






片蔭へ急ぎ片蔭出て急ぐ


名刹の法説くごとく滝の音


行儀よく並ぶ一つ葉寺がかり


羽振りよき頃を語りて生身魂






開園を日の出に合はせ蓮見会


ふた匙で足ひら給ひし生身魂


子に支えらるるくらしや五月尽


来し方は坂道野道凌霄花






前向きに歩く下闇濃きところ


自愛てふことばかみしめ暑気払ひ


お悔やみを受けつつ西瓜持ち直す


気楽さもときには淋し新茶くむ


点て出しの夏のお茶碗形見分け



■ 走り花

■ 「狩」に掲載された入選句

    誌上にて鷹羽狩行先生をはじめ諸先生方の
    御批評・御解説を賜りました

■ 受 賞 句

    マスメディアに取り上げられたり・賞を頂きました


私なりに選び集めました

■ 走り花 春 

■ 走り花 夏 

■ 走り花 秋 

■ 走り花 冬 

■ 走り花 新年

■ 五 七 五

by takibiyarou | 2005-04-02 11:21 | 五 七 五 | Trackback | Comments(0)
2005年 04月 02日

走り花 春

私なりに選び集めました  


まだ風の気付かぬ土手の初蕨


ほめられてはにかみ笑ひ白牡丹


電柱の肩身の狭き木の芽どき


卒業の証書丸めて世を覗く






波の手にしかと渡して流し雛


こころざしまだ捨てるなと松の芯


猫の恋旅立つ夫を送りし夜


恋いざたは今も秘めごと目貼剥ぐ






銅像の空を見つめて春嵐


約束の重荷となりし春憂ひ


辛党の彼も付き合ひ柏餅


線となり点となる闇蛍沢






言わずとも分り合ふ中梅探る


同齢の医者に診らるる春の風邪


芽ぶく木の揺らす飛び出し注意札


花揺らす鳥を見てゐる籠の鳥






軽ければ音も軽しや種袋


同窓の集ひかしまし花筵


初蝶の力み疲れの骨休め


こだわらぬはづのこだはり衣替






饅頭と酒の看板山笑ふ


木洩れ日ともみ合ひながら水温む


いたはられゐるとも知らず茎立てり


雛流す日のたかぶりの瀬音かな






吉備の野を称へてやまづ百千鳥


ひかへ目に笑ふ葬の村の山


目貼剥ぐ心の軽さ身にもどり


谷水の落ちつぐ音も温みけり






名水の育てし芹の方を買ふ


風の組み風の散らせし花筏


新築の下見としゃれてつばくらめ


思い断つごとくに降下恋蛍






黒土が好きで畑に残る雪


紅梅の女の字めの字に交はす枝


衣食住足らひし身にも戻り寒


嫁ぐ日に合はせて開く白木蓮






強がりの独りぼっちの春炬燵

山彦の力も借りて山笑ふ


草餅の丸みは母の手の丸み


放牛に尻向けられて山笑ふ


若い者同志の造語花筵






踏まずにはゆづれぬ畦の犬ふぐり


ワープロを打つ手に遠く祭笛


二階建てバスの二階の遠ざくら


産土神の藪の湿りに雀の子






春昼やどっと飯場の流し水


寒明けの砂乾ききる花時計


記念樹の影真っ直ぐに卒業す


篁のてっぺん吹かれ佛生会






島の名のどれがどの島春霞


桜見に来てもテストの事を言ひ


蝋梅の一葉大事に生け画廊


雛流す神事に吹かれづめの幣






早瀬超すまでを見とどけ流し雛


托鉢の袖に舞ひ込む春の雪


赤米の名札映して植田水






涙なき葬もありけり竹の秋


頭上とておかまひなしに鳥の恋


縁切りの寺にかけ込むうかれ猫


朝市の人気虫食ひ葉の人気






どの子にもこだま返して山笑ふ


座布団につまづく八十八夜寒


筍を包む地震の被害記事


藤房の吹かれて色を撒き散らす






負けん気の似たもの夫婦彼岸墓


組紐に色の生まるる春隣


摺子木も鉢も小ぶりに木の芽和え





■ 走り花

■ 「狩」に掲載された入選句

    誌上にて鷹羽狩行先生をはじめ諸先生方の
    御批評・御解説を賜りました

■ 受 賞 句

    マスメディアに取り上げられたり・賞を頂きました


私なりに選び集めました

■ 走り花 春 

■ 走り花 夏 

■ 走り花 秋 

■ 走り花 冬 

■ 走り花 新年

■ 五 七 五

by takibiyarou | 2005-04-02 11:09 | 五 七 五 | Trackback | Comments(0)
2005年 04月 02日

走り花 受 賞 句

マスメディアに取り上げられたり・賞を頂きました



会 釈 し て さ れ て 涼 し く す れ 違 ふ


2007年5月[狩」大阪大会特選

2007年10月岡山県俳人協会
県民文化祭賞





折 鶴 を 折 る ま で に 癒 え 春 の 風 邪


NHKラジオで放送される




花 の な き 寺 に も 及 び 花 の 冷 え


[狩」尾道大会特選




紅 梅 の こ ず ゑ の 撥 ね て 走 り 花


花の歳時記に掲載




水 さ せ ば 壺 に も 及 ぶ 若 葉 冷 え


松山俳句王国NHK俳句大会入選




四 つ 這 ひ を 四 つ 這 ひ に 追ひ 天 瓜 粉



岡山県俳句大会 県知事賞




藪 騒 に 加 は る 園 の 今 年 竹


後楽園三百年祭優秀賞




湯 煙 の 地 獄 に 色 を 変 へ ぬ 松


「狩」九州大会特選




本 物 の 帯 も 菊 柄 菊 衣


「狩」尾道大会特選




く ら や み の 声 に お ぼ え の 御 慶 か な


「狩」広島大会特選



■ 走り花

■ 「狩」に掲載された入選句

    誌上にて鷹羽狩行先生をはじめ諸先生方の
    御批評・御解説を賜りました

■ 受 賞 句

    マスメディアに取り上げられたり・賞を頂きました


私なりに選び集めました

■ 走り花 春 

■ 走り花 夏 

■ 走り花 秋 

■ 走り花 冬 

■ 走り花 新年

■ 五 七 五

by takibiyarou | 2005-04-02 11:02 | 五 七 五 | Trackback | Comments(0)
2005年 04月 02日

走り花

この句集は「狩」入会後二十年間の作品の中から選び集めました

句集名は「花の歳時記」に掲載された句からとり「走り花」といたしました

鷹羽狩行先生のあたたかいご指導と諸先輩、句友の皆様の

励ましにより今日まで続ける事が出来ました

今後も俳句を生活の一部として余生を楽しみたいと思っております




               藤原雪子



■ 走り花

■ 「狩」に掲載された入選句

    誌上にて鷹羽狩行先生をはじめ諸先生方の
    御批評・御解説を賜りました

■ 受 賞 句

    マスメディアに取り上げられたり・賞を頂きました


私なりに選び集めました

■ 走り花 春 

■ 走り花 夏 

■ 走り花 秋 

■ 走り花 冬 

■ 走り花 新年

■ 五 七 五

by takibiyarou | 2005-04-02 10:53 | 五 七 五 | Trackback | Comments(0)
2005年 04月 01日

五 七 五

■ 滋 章 の 句 集  「 山 の 音 」
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昭和五十年から五十九年までの句を
鷹羽狩行先生の選により

滋 章  「 遺 句 集 」

句集「山の音」以降の約二十年間の
狩誌上の白羽欄に掲載された句を
中心に編集致しました
平成j十八年五月没 86歳









■ 雪 子 の 句 集 「 走 り 花 」
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この句集は「狩」入会後二十年間の作品の中から選び集めました

句集名は「花の歳時記」に掲載された句からとり「走り花」といたしました

by takibiyarou | 2005-04-01 10:35 | 五 七 五 | Trackback | Comments(0)
2005年 04月 01日

山の音 冬

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終 末 に あ ら ざ れ ば 枯 れ 繰 り 返 す

一 つ づ つ 咳 し て 二 人 き り の 夜

凍 滝 の 飛 沫 を 花 と し て 立 木

寒 灯 の 一 つ を 加 へ 入 港 す

普 請 場 の 焚 火 き の ふ の 跡 に 焚 く

狐 火 の 咥 た ば こ の あ か り ほ ど

老 松 に 枕 こ と ば の や う な 雪

日 溜 り を さ み し が ら せ て 雪 ぼ た る

旅 立 ち の 雲 を 集 め て 神 の 峰

遠 き ほ ど 山 の や さ し き 冬 の 雁

冬 ざ れ の 島 に 狼 煙 の ご と き も の

も の 喰 わ ぬ と き は お し ゃ べ り 日 向 ぼ こ

禁 猟 の 湖 に も 見 張 り 役 の 鴨

窯 の ぞ く 目 だ け が 燃 え て 寒 に 入 る

愛 憎 の 過 去 い き い き と 雪 ぼ た る

雪 山 に 男 ひ と り の 跡 残 す

風 花 の 先 を 争 ふ 蔵 の 口

人 の 訃 や 玉 深 く 抱 く 竜 の 髭

霊 園 の 土 新 し き 霜 柱

山 眠 り な が ら も 返 す こ だ ま か な

神 迎 ふ 神 に も つ と も 近 き 峯

封 を 切 る ま で が 福 な り 福 袋

航 跡 の 末 広 が り に 恵 方 指 す

風 拒 む も の に 取 り つ く 虎 落 笛

恵 方 道 す ぽ り 入 れ て 道 路 鏡

下 校 児 の 囃 し て 増 や す 雪 ば ん ば

歳 晩 の 灯 り を 積 み 重 ね 摩 天 楼

天 守 な き 加 賀 に 百 万 石 の 雪

浮 世 絵 の 女 に 向 け て 風 邪 の 咳

初 陣 の 鴨 も ま じ へ て 鴨 の 陣

め が ね 拭 く 眼 鏡 に 屠 蘇 の 息 か け て

初 夢 の 一 番 嫌 な 奴 に 逢 ひ

倒 木 に 流 れ と ま ど ひ 春 隣







■ 山の音

■ 序文と解説

■ 春

■ 夏

■ 秋

■ 冬

■ 五 七 五

by takibiyarou | 2005-04-01 10:26 | 五 七 五 | Trackback | Comments(0)