木洩れ日の森から

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2006年 08月 31日

煮 凝 り

朝の散歩でまだ青い毬栗を拾いました
お山の秋の準備も進行中のようです。

そういえば最近煮凝り(にこごり)を食べていません。
一時期、家内が煮凝りに懲りよく作っていましたが、この所簡単メニューに凝っていますのでちょっと疎遠です。

またまた肴のお話になってしまいましたが、
昔、煮凝りといえばわざわざ作る物でなく、冬の日の食卓に昨日の煮魚の残りが出てくると、必ず煮凝りでした、いや煮凝っていました。
なので若い時には冬限定のお惣菜のイメージが強かったのです。
しかしそれから少し歳を重ね、小料理屋の暖簾をくぐれる様になって初めてその美味しさと品の良さを実感したのです。
それは子供の頃の煮凝りとはまったく別のお料理でした。
冬だけでなく夏の暑い日に冷たく冷やした煮凝りを少し口に含むと、体温でそのゼラチン質が溶け、口の中に心地よい旨味が広がります。
それからはそのプルリンとしたその食感に、魅了され続けています。

ご存知のように煮凝りは、魚や肉などの煮汁のゼラチン質を冷やしてゼリー状に固めたものです。
フグやヒラメなどの身や皮を適当な大きさに切り、醤油や酒、ショウガなどでつくった煮汁で煮詰め、煮汁ごと型に流して冷します。
フランス料理ではアスピック、
中華料理では「肴肉 ヤオロウ」などとも呼ばれるようです。

夏が終わってしまわないうちに、是非食べたいですね。

煮凝りはどの器に盛りましょうか

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やはり季節柄
切子のお皿ですかね







年代不詳 
イギリス切子硝子皿 

英国アンティークのお店で見つけました

by takibiyarou | 2006-08-31 06:50 | 雑観・雑考 | Trackback | Comments(0)
2006年 08月 30日

宵 待 草

夏の朝、お散歩でよく見かけるお花です。
「よいまちぐさ」正確にはオオマツヨイグサ(大待宵草)だそうです。
宵闇迫る頃から咲き始め、翌朝太陽が完全に昇る頃には萎んでしまうのでこんな名前がついたのでしょう。
俗に月見草とも呼ばれますが、これは太宰治が「富嶽百景」のなかで「富士には月見草が良く似合う」 と書いた為、黄色のオオマツヨイグサが月見草として定着してしまいました。実際の月見草は日本ではほとんど見られない白色のお花だそうです。
私はこの宵待草をよく写真に撮ろうと試みましたが、なかなかうまく撮れません。
また、このお花を見るといつでも頭の中のレコードが回り始めます、そしてあの大正ロマン漂うもの悲しくも美しい歌声が響きます。

 待てど暮らせどこぬひとを

 宵待草のやるせなさ

 こよいは月も出ぬそうな

竹久夢二 作詞・多忠亮 作曲の
あの歌です。

竹久夢二は私の故郷と同じ岡山に生まれ、そしてノエルの森のあるここ富士見高原のサナトリウムで亡くなりました。

「日にけ日にけ かつこうの啼く音ききにけり かつこうの啼く音は おほかた哀し」
の辞世をのこして。

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「風立ちぬ、いざ生きめやも」

そこは堀辰雄の「風立ちぬ」の舞台となったサナトリウムでもあります。

「八ヶ岳の大きなのびのびとした代赭色の裾野が漸くその勾配を弛めようとするところに
サナトリウムは、いくつかの側翼を並行に拡げながら南を向いて立っていた。」

「風立ちぬ」の一節です。
その「富士見高原療養所」は当時の建物そのままの姿で、現在の富士見高原病院に隣接し残され、資料室にはここで療養生活を送り数々の作品を残した竹久夢二や堀辰雄をはじめとする、多くの文学者たちの関連資料が今も保存されています。

そんな高原に咲く宵待草は、実にやるせないですね。

竹久夢二
風立ちぬ
富士見高原療養所

by takibiyarou | 2006-08-30 07:19 | 八ヶ岳 | Trackback | Comments(0)
2006年 08月 29日

帰 庵 の 小 皿 

鬱金色の地に、麦の穂が描かれた小皿があります。
帰庵和尚の筆による物で、大きさも、色合いも随分と使い勝手の良い小皿です

松坂帰庵
岡山の真言宗三野法界院、三十三世の法位を継ぎ、大僧正となる。
畠山八洲に書を学び、のち自ら慈雲尊者・寂巖の流を究める 『今良寛』と呼ばれ、會津八一とも交流があった方の様です。
昭和34年没67才。

和尚とは直接面識は有りませんが、奥様のうた夫人には孫同様に可愛がって頂きました。
正月の玄関飾りにと法界院の竹藪に案内して頂いたり、毎日のように我が家にお見えになり、私に逢うたびにお食事をご馳走して頂き、様々なお話を聞かせて頂きました。
後に法界院の静かな茶室にお住まいになられ、露の着物を粋に着こなす素敵な方でした。

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そんな思い出の小皿ですが、
不注意で破損してしまい、金繕いを施しました。

お酒の席には欠かせない器となっています。

by takibiyarou | 2006-08-29 07:04 | 雑観・雑考 | Trackback | Comments(0)
2006年 08月 28日

今夜は鯛の兜煮

夕方からスコールのような雨になりました。
先ほど灯したWelcome light が雨のカーテンで少しにじんで見えます。
こんな日でも、ご近所の友人をお招きしての宴は、延期にはなりません。
それも、デッキで、
我が家のデッキは屋根付きですので、雨が降ろうと、ここでお食事です。
傍から見ると、スコールの中、蝋燭の灯の元デッキでのお食事はチョッと異様かもしれません、しかし我が家はそんな事お構いなしです。
今夜は久しぶりにお逢いできた友人ですので、鯛のお頭(兜のみ)です。
我が家は瀬戸内生まれのせいか、お魚が大好きです。特にカマや兜の部分、俗に言うアラ、スーパーに行くと鮮魚コーナーの一番端っこに一パック200円位で積み上げて有ります。
そう、愛犬ノエルも食べている、あれです。
時間をかけてゆっくりと煮込んだ兜煮を肴に、冷たく冷やした日本酒をいただくと、時間の流れがゆったりと感じられますね。
お魚の食べ方の上手い下手がはっきりと出るのもこのお料理でしょう、上手い人が食べたあとは猫またぎ。
料理屋さんではよく見かけるこの料理も家庭で作られる方は余り居られないようです。
やはり素材の見た目が悪いのでしょうか。家内は海の近くで生まれたせいか、平気です。
よって我が家ではこの鯛の兜煮をよく作ります。
鯛の兜に熱湯をかけて、生臭みをよくとります、そして鱗を丁寧にとります。
次に1/4に裂いたゴボウをお鍋の底に敷き、その上でよく洗った兜を煮付けます。
このゴボウは焦げ付き防止にもなり、また味が染み込んで絶品です。
我が家の煮物はほとんどお砂糖を使いません、お酒と味醂とお醤油そして根生姜でじっくり炊き込みます、この時に落し蓋をお忘れなく。
あとは焦がさぬように時々の味見を楽しみながら、忍耐です。

ですが今夜は根生姜の代わりに葉生姜を、ゴボウの代わりに焼いた白ねぎを使い、時間が無いので強火で素早く煮上げました。
何でもあるものを使うのが我が家のスタイルです。

鉢に盛り付けたら、木の芽を添えて。

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滝のような雨の中、今晩もデッキで宴です。

今夜の器は
刷毛目染付角鉢

この鉢は河童橋で見つけた物で
素麺から煮物まで幅広く活躍しています




お料理の写真は難しいのでありません・・・
ご想像に任せます。

by takibiyarou | 2006-08-28 07:25 | 八ヶ岳 | Trackback | Comments(0)
2006年 08月 27日

更 紗

今日はどの布をテーブルに使いましょうか、クロス選びも、楽しみの一つです
それほど沢山あるわけではありませんが、その時の気分によって選びます。
でも、やはり更紗です、森に溶け合うようでお気に入りです

「さらさ」いい響きです。

更紗はインドをはじめとする「外来の模様染の木綿布」の名称ですが、最近では「江戸更紗」などのように小さな柄の染められた布の意味で使われるようになりました。
この言葉の由来について調べて見るとは幾つかの説があるようです、
機留(さんとめ)縞がセント・トーマス、弁柄(ベンガラ)縞がベンガル、などの例からインドの地名であるスラートが転訛して「さらさ」となる説が有力だそうです。
また、古いポルトガル語の「サラサ(sarassa)」が(インド産の木綿の織物の意)や、スペイン語の「サラツァ(saraza)、インドネシア古ジャワ語「サラサー(sarasah)(モザイク状の、多色の、の意)などの言葉がある事から、当時世界的に「さらさ」が模様染布の代名詞として用いられていたと考えられます。
しかし現在生きた言葉として「さらさ」が使われているのは日本だけのようです。
その技法としてバティックが有名ですが、これは「ロウケチ染め」と同じように蝋で防染し染め分ける技法です。

「更紗」、目にも耳にも素敵な言葉ですね。
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我が家の更紗
落ち着いた色合いと、エキゾチックな文様とがお気に入りのジャワ更紗です。
どうしても似通った感じの物ばかりになりますね

一番上と三枚目の少し大柄は
バティック・トゥリス
溶かした蝋をチャンティンという道具を使い、手描きでロウケチをしたもの。

あとは、バティック・チャップ
チャップという銅製のスタンプでロウケチしていきます。

by takibiyarou | 2006-08-27 18:43 | 雑観・雑考 | Trackback | Comments(0)
2006年 08月 25日

鳥せんべい

我が家の簡単メニュー
皆さんにお出し致しましたが、素性を当てられた方はわずか
簡単で、ちょっと話のネタのおつまみです

鳥のささみ
塩・胡椒
片栗粉

鶏肉(ささみ)のすじを取り、まんなかで開き塩・胡椒、片栗粉をまぶし

それをラップに挟みまな板の上で麺棒などで軽く叩き、平たく伸ばします。
なるべく薄くした方が歯ざわりが良いようです、この作業は、もちろん私の仕事です
伸ばしたささみを食べやすい大きさに切り油でカラッと揚げれば完成です

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ビールにぴったり
冷やすと、カリッとしておいしく頂けます








朱塗の菓子盆


我が家の器の中で

これが一番似合うようです

by takibiyarou | 2006-08-25 11:04 | 八ヶ岳 | Trackback | Comments(0)
2006年 08月 24日

日 本 民 芸 運 動 の 旗 手

バーナード・リーチの器

リーチはかつて、日本民芸運動の創始者柳宗悦の住まう我孫子に窯を築き、濱田庄司、富本憲吉、河井寛次郎、らと共に民芸運動の推進者として知られる陶芸家です。
この小さな器、セント・アイヴスにある彼の陶房の作品のようです。
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リーチ陶房
内側だけに釉薬を掛けた、ユニークな器です。
知人から英国土産として頂いたものですが、そのスプーンのような形状のため、如何使用すべきか悩んでいる器です。
父はひまわりの種など入れてビールを飲んでいたようです。
使用しているうちに取っ手部を破損してしまい、私が金で繕いました。

我が家ではこれに灯りを灯し、テーブルライトとなっています。
そして、もう一つ
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富本憲吉案 色絵灰皿

これも、彼のデザインで数多く作られた「富泉」物のようです。
禁煙中の私ですが、昔この民芸運動の洗礼を受けた一人として、懐かしくもあり香炉代わりにしています。

富本憲吉

by takibiyarou | 2006-08-24 11:58 | 雑観・雑考 | Trackback | Comments(0)
2006年 08月 23日

幻の鬱金志野

先日岡山の弟から秋ウコンが届きました、彼が自家栽培しているのだそうです。
先月帰郷した折の「γGTB」の数値が上がった話しを覚えていてくれたのでしょう。
ターメリック、そうあのカレー粉の主成分、日本の伝統色の中にも鬱金色があり、深みのある黄色の染料として古くから使われてもいました。
ウコン茶、かなり苦いですが、肝臓に良いと聞きますので飲んでいます。
何とか、お酒の肴になればありがたいのですが・・・それは調子が良すぎますね。

そのウコン茶を飲むと、「幻の鬱金志野」の事をよく思い出します。

今は亡き岡山の陶芸家、岡宏峰氏は志野茶碗をよく焼かれていました。
事業家の氏はお茶をこよなく愛する数奇者でもありましたが、道具の収集だけでは飽き足らず倉敷の鶴形に窯を築き、自ら作陶を始めたのです。
茶碗を焼くたびにその才能は開花、美術展での特別賞にも輝き,数多くの作品展も開かれる様に成った矢先に他界されてしまいました。

岡氏は今までの志野には無い「黄色の志野茶碗」の創作にも成功されたそうです。
その「黄色の志野茶碗」を友人でもあった父に見せに来られ、その時父が「鬱金志野」と命名したのだと聞いています。
我が家に岡宏峰氏のお茶碗は数多く在りますが、この「鬱金志野」なる茶碗を私は見たことが在りません。
氏の作品展図録なども調べてみましたが、見当たりません。
今では奥様も他界され、私の中で「幻の鬱金志野」となりました。

何時の日にか出会って見たいお茶碗です。

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岡 宏峰
「志野茶碗」


鬱金志野発見!

by takibiyarou | 2006-08-23 14:47 | 雑観・雑考 | Trackback | Comments(0)
2006年 08月 22日

喧騒の都会の森の

木下闇(こしたやみ)と言う言葉があるそうです

以前、ある神社の刷り物で知った言葉ですが
「夏木立がうっそうと茂り、昼なお暗い様子」を言うそうです。

最近、上野公園の森に入り突然この言葉が脳裏をかすめました
都会の公園、真夏の日差しと蝉時雨、行き交う人を避けて木立の中に入ります
眩し過ぎる日差しのせいで木陰の薄暗さが一瞬闇となり、同時に音までも、
そこには静寂だけが残ります
そして、その闇は汗さえも吸い取ってしまいます

炎天下の道から十数歩それただけで、まったくの異次元空間に引き込まれます

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そんな空間の存在を、昔の人はちゃんと知っていたのですね

八ヶ岳の森よりも、喧騒の都会の森の心象かもしれません。

木下闇

なかなか興味深い言葉です





「銅像のまなこ鋭き木下闇」   雪子

by takibiyarou | 2006-08-22 16:21 | 雑観・雑考 | Trackback | Comments(0)
2006年 08月 20日

ノ エ ル の 森 の 昼 下 が り

友人からお酒が届きました
吟醸・限定物の生酒ではではありませんか!!

家内は週遅れのお盆で実家に帰っています
週末はノエルと二人で森住まい
なので昼から、キリッと冷やして、ちょっと一杯
茗荷を刻んでおかかをまぶし
以前彼から頂いた染め付けに盛って見ました

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とろーんとした昼下がり

ノエルは横で寝ています

木洩れ日のデッキに
かすかに虫の声が聞えます


ああ、甘露甘露・・・


持つべきものは友、ですね



後は睡魔に任せます

ありがとう






「昼寝から覚めて總身隙だらけ」  滋章

by takibiyarou | 2006-08-20 14:35 | 八ヶ岳 | Trackback | Comments(0)