木洩れ日の森から

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2008年 05月 25日

慌 た だ し い 帰 郷

08-5-17

母と父の三回忌の準備です、ビールや果物を買い込み、安全のために普段使わないローソクも読経の間十分持つだけの大きいやつを購入します

お昼過ぎには家内と駅で待ち合わせして倉敷の義弟のお店に向かいます
新幹線のホームとは対象的なローカル線の鈍行電車、義弟はこの町で洋服の会社をやっています、倉敷は学生服やジーンズで有名な洋服の街なのです今はだいぶ寂れているようですが
そんな義弟のお店で無くなった義母がいつもスーツを仕立ててくれていました
そんな義母も亡くなり、久しぶりにスーツの新調をと訪ねることにしたのです
駅に迎えに来てくれた義弟の車でお店に向かいます
新しいお店だそうで、荒削りなインテリアにイタリアンカジュアルな商品がディスプレイされかなりおしゃれなお店です二階が紳士服、店員さんは一階二階ともに外人さん・・・
義弟の趣味なんでしょうね
採寸と、生地選びを終え、出来上がりの北海道のホテル送りを依頼して家内の実家に向かいます
家内の帰郷に私も同行し義母にお線香をあげてこようと思います
義母は一昨年お店の火事で亡くなってしまいました
一度は避難したのですが、大切な帳簿を取りに再び戻り、煙に巻かれてしまったようです
何とも悔やまれる最後でした
そんなお店も昨年新築、そんな実家を訪れます
真新しい仏壇に手を合わせ、義弟夫婦の用意してくれた肴で少し頂きます
義父が今宵のためにとお店を予約してくれたようですが、私は久しぶりの母と食事したいのでと家内を残し実家へ戻ります

今回持ち帰った「煎酒」でお刺身を母と頂きましょう
母は明日の三回忌のことで頭がいっぱいのようですが、一つ一つ準備を確認してあげるとすこし納得してくれました

08-5-18

珍しく母が朝早くから起き出しています
母にせかされながら部屋を片付けお掃除、そしてお庭に水を打ち、ついでに玄関にも水を打ちます
お花はすでに昨日母が生けています 
そうこうしていると、弟家族が祭壇に飾るお花を抱えてやってきました、姉の家族もそろいます
みんなで最後の準備をしていると若い坊さんもやってきます
今日は葬儀が重なり、住職の名代で若い坊さんが来られたようです
まだ二十歳代の坊さんですがお話しはなかなか堂に入ったものです、出されたお茶をあがり、卒塔婆に筆をふるいます
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これが何と見事な筆捌き、みな顔を見合わせることしばし
厳かに天台宗の読経が始まります
続いて、渡された般若心経の合唱、これもなかなか良いものですね、和風のゴスペルみたいです

一連の儀式を終え車に分乗してお墓参り
甥っ子が彼女を連れて帰ってきました、親戚に紹介するためのようです
お互いの気持ちが決まったのでしょう、かわいがっていた父に報告し祝福してやりましょう
一年ぶりに集まった親戚一同みんなで手を合わせます
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こうやって仲良く集まれることがとてもうれしいことですね
墓参りの後は再び実家に戻り宴です
先ほどはすぐに坊さんが来てしまいましたので改めて、甥っ子と婚約者を紹介します
母もかなり気に入っている様子、家内は早速メルアドを交換していました
義兄、弟、叔父、そして甥っ子みんな楽しく盛り上がりましたが明日のある身
東京組はそろそろ引き上げです
甥っ子達は彼女を倉敷に案内して明日朝早く帰るようです

私は明日から北の街に出かけなければなりません、ノエルも首を長くしている事でしょう

後始末を親戚に託し、駅に向かいます

ずいぶんと慌ただしい帰郷となりました

by takibiyarou | 2008-05-25 04:08 | 雑観 | Trackback | Comments(0)
2008年 05月 24日

檜 の 香 り

08-5-16
北の街から一時帰り、翌日は木曽路
名古屋まで新幹線のぞみ、そして特急に乗り換えて中津川、そしてそこからは鈍行
ここまで来ると懐かしい香りがします
八ヶ岳のお山に続いているような、そんな懐かしさを感じます
初夏のようなそんな日差しの中、木曽川の辺の小さな駅に降り立ちます
一つ手前の駅、車内の放送で「次の○○駅では一番前のドアしか開きません」
「切符を運転手に渡してください」
何とも素敵な放送が流れました
今度もかと期待したのですが、今度は前の駅よりは少しは立派な駅でした
学生さんらしき人たちに三人とともに降り立ちあたりを見渡すと、若いお兄さんがこちらを見ています
お迎えの方のようです、今日はこの山の中で製作されている今回のイベントに使用する足湯用「檜の湯船」の出来具合を見に来たのです
前もって電話しておいたので工場の方がお迎えに来てくださったようです
それにしても高級車ではないですか、若いのに凄い車で来ていますね
社長さんの運転手かも知れません
にこやかにご挨拶され名刺を差し出されました、「檜を薄くスライスした」名刺です
かすかに檜の良い香りが漂います、見ますと「代表取締役」と有るではありませんか
社長さんです
「ずいぶんとお若いですねー」と言うと「二代目なんですよ」とちょっとはにかみます
凄く感じの良い青年社長さんです
ご一緒に近くの道の駅で名物のお蕎麦を頂き、工場に案内されました
綺麗に整頓された「檜の香り」の漂う工場です
その中央に今回製作を依頼した「檜の湯船」が据えられています
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まだ完全に完成ではないようで、何人かの職人さんが作業をされています
滑らかに削られた木肌に触るとしっとりと無垢の木の温もりが伝わってきます
職人さんといくつかの問題点を議論し方法を見いだします、この地で経験を積んだすばらしい職人さん達です、残りの数日間で完全に仕上げて下さるでしょう

後はお任せして、帰郷の途につきます
名古屋まで帰り、新幹線に乗った時にはさすがに疲れが出てきてそのまましばらく眠ったようです
目覚めると「のぞみ」は新神戸を過ぎた頃、母に電話しておきましょう
早めに郷里の駅に着いたのですが、少し寄り道しなければなりません
今回の長期出張ではネット環境の整っていない場所が多くその対策のために「モバイル」とやらに挑戦しなければなりません
駅近くの携帯電話のお店に行き「モバイルカード」を購入します
以前、別の携帯電話会社の「モバイルカード」を使用したことがあり、そのときの請求額が月当たり20数万円、これには驚くより腰が抜けてしまいました
その経験が「モバイル」恐怖症となっていたのです
今回は仕方なく別の携帯電話会社で「定額契約」を強調、何とか契約に漕ぎつけました
この定額で契約すると「カード本体」がただになるのだそうです
なんだか不安が残りますが契約しました
そして手持ちのPCの設定を依頼したのですが、指定の時間に行ってみてもまだ出来ていません
そばに着いて見ていましたが、どうもやったことが無いようです
田舎の町の携帯電話屋さん、「モバイルカード」自体が初めてらしいのです
色んな所に電話しながらそれでも泣き言一つ言わず「大丈夫ですよ」と笑顔で作業を続けるけなげな若い店員さんに好感を抱き、文句は言いません
二時間後、やっと何とか設定が終わりネットに接続出来るようになりました
母をかなり待たせているようです、急いで実家に向かいます

駅の新しい高架通路を通り、綺麗に整備されたお店やスーパーを抜け
エスカレータを降りると、風景は一変
そこには昔懐かしい昭和の家並みが現れます、いつもながらこのギャップには驚かされます
実家の玄関を開け昔懐かしいあの時間に戻ります
部屋に上がるともう夕飯の準備は出来て居ます、すぐに風呂に入れとせかされ従います
一年ぶりの母の料理です
もう八十五、それにしては元気な様子にほっとします
しかし足腰はかなり弱ってきているようです、仕方有りませんね
今回帰ってくる孫達に渡そうとお小遣いの封筒を準備しています、その封筒には一人一人に当てた俳句が三句づつ書かれていますそしてご丁寧にその意味までも
そんな準備が母にとっては凄く楽しいひとときなのでしょう
父の残したウイスキーの瓶を開けながら、母との久しぶりの差し向かい


すでに昔の時間の中に居ます


母と父そして昔の私

by takibiyarou | 2008-05-24 04:54 | 洞爺の記憶 | Trackback | Comments(0)
2007年 05月 24日

賑 や か な 法 事

昔から父は堅苦しい事が嫌いでした
そこで今回の一周忌も「ざっくばらん」がコンセプト、これは母の提案です、
しかし「そこまでラフにするの」とのご意見で少しは様になったようです
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                                              金剛菩提樹の数珠 
私もノーネクタイで通します、その方が父の法事らしいとみんな思っているのです
和尚さんは田舎の事、少しくらいの無理は聞いてもらえます、朝早くから来てくれました
この和尚、元大学教授の経歴の持ち主、甥達の位牌の上に書いてあるのは何でしょうか、との凡字に関しての問に
水を得た魚の如く、これはサンスクリットの宇宙全体を表す「空、風、火、水、地」の文字・・・
そしてこのサンスクリットはシルクロードを経て中国そして日本へ伝わる、和尚はその達筆を白木の卒塔婆に走らせながら
この「卒塔婆」もサンスクリットの仏舎利塔、ストゥーパからきた言葉で日本では「五輪塔」を意味し
またヨーロッパに伝わりタワーとなる、また今日後で頂けるであろうお布施はサンスクリットで「ダーナ」といいのちに、施しをする人を「旦那様」と呼ぶようになった等々、絶妙の話術で言語学者のご講義は留まるところを知りません
法事も単なる宗教的儀式や風習としてだけでなく、こうして仏教を「哲学」として説いていただくと楽しくお聞きする事ができますね
甥達がいつになく食い入るように聞いていたのも頷けます
私を含め遠隔地からの帰郷も多いので早速お墓に参りましょう
和尚、帰り際に振り向いて、最近巷で「変な歌が流行るから、お留守のお墓が多くて困ります」と言い出します
「千の風になって」ネタのジョークでしょう、笑いを残して去って行きます
なんとも愉快な和尚です
お陰で賑やかに楽しく法要を終える事が出来ました
お墓は、忙しさにかまけた私に代わり弟が万事取り仕切って整備してくれました
ありがたい事です、なので父にして「あまりにも一般的なお墓すぎる」などと不平不満は言いません

郊外の国道沿いのまだ私たちの本籍地となっている里です
甥達の運転する車に分乗して向い、この里に住む二人の甥の駐車場に車を並べます
しばらく放置し荒れていた田畑ですが、今では二人の甥の新居にあわせきれいに整地されました
遠くに住む私ではどうにもならない事を、こうやって甥達が力を合わせての協力に感謝です
しかし、この辺りの変わり様は私の記憶を完全に払拭してしまいます
ただ墓地近くの神社だけがかろうじてトンボやセミを追ったかつての記憶を甦らせてくれます
そんな思い出を残すのも今では姉と私だけでしょうか
鎮守の森は既にあらかた姿を消し鬱蒼の竹林だけが昔の面影を残します、その鬱蒼の竹林に一歩足を踏み入れると
時が一瞬止まりそして別の次元へと誘われるよう
そしてその先に眩い光が広がり、忽然と墓地が現れます
なんとした自然の演出でしょうか
殺風景な郊外の新興住宅地、そんな片隅にこんな四次元スポットが有ろうとは
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                                              炭篭の烏府(うふ)に竹炭
                                              小形の団扇の炉扇(ろせん)
                                              灰点前用の羽箒(はぼうき)
                                              真鍮の火箸(ひばし)
さてそろそろ帰ってお昼の宴と参りましょうか
どこかお店で会食とも考えましたが、母の希望で狭いながらもまだ父の匂いの残る我が家でとなりました、仕出しのお膳で宴です
今回は近しい身内だけですがずいぶんと賑やかな法事となりました
母も満足のようです

来年は三回忌だと言います
どうしてでしょうか、一周忌の次の年が三回忌、数えで計算するのでしょうか
私にはよく飲み込めませんが、もう少し母には元気を出してもらいましょう

それまでに私は父の「句」を何とかしなければなりません

また忙しくなりそうです




   

by takibiyarou | 2007-05-24 06:01 | 雑観 | Trackback | Comments(0)
2007年 05月 23日

帰 郷 の 収 穫

私が帰郷をするたびに
我が家に骨董や器が増えます
集めた祖父や父のいない今となっては母が頼り
健在のうちに少しずつ云われ伝来を聞きながら受け次いでいかねばと思っています
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                                            竹の茶杓
引出しの奥に茶杓の竹筒を発見
開けてみるといい感じの茶杓が出てきます
どなたの作かは知れませんが枯れた風合いの素敵な茶杓です
元来茶杓はその席限りの使い捨てが基本だそうです
しかし素敵な物は時を超えて残ります
私の愛用にさせて頂きましょう煎茶の泡瓶も少しもらって帰りましょう

備前の泡瓶、なかなかいい感じです
撫でていると母が急須台を持ってきます、石井巌流作の木地の盆
ふっくらとした厚みと桒(くわ)の木目が何とも手触りの良い盆です
まだうぶな物ですが少しお茶で磨くとかなり素敵になりそうです

蓮の華でしょうか、錫の茶托
良い時代色なのですが、幾つか底が抜けそうです
友人に頼んでみましょうか、うまく直ると素敵ですが

まだ母は探し物をしています、やがて有った、有ったと幾つかの古帛紗を持ってきて家内にもって帰れと言います
その中の一枚、赤い錦が目を引きます
云われを聞くと、知人の奥様がもったいなくも岡山にお輿入れの、さる皇族の方より七五三の時の御着物を頂戴し
古帛紗に仕立てた物だそうです
私たちにはどう扱ってよいやら判りかねますが、大切に頂いて帰ります

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                                                御錦の古帛紗
母は眠むれ無くなるので、お煎茶はもうあまり飲まないからとお道具を次から次に出してきて持って帰れと進めます
煎茶のお茶碗を入れる碗筒(わんとう)炭篭の烏府(うふ)小形の団扇の炉扇(ろせん)・・・等々、果ては竹炭まで持ち出してきます
一式揃いました
正式のお茶をする訳ではないのですが、嵩張る物でもないので一応頂いて帰りましょう
しかし、持ってきた空のバックがもう一杯です

今回はこのくらいにしておきましょう

後は次回のお楽しみ




 

備忘録

by takibiyarou | 2007-05-23 05:48 | 雑観 | Trackback | Comments(0)
2007年 05月 22日

鳴 門 の 葉 皿

今回、間際になって体調を崩し一緒に帰郷できなかった家内から
お山の宴用の「小吸物のお椀」を貰ってきて欲しいと頼まれていました

母に話すと、確かどこかに仕舞ってあるはずとあっちこっちを探してくれます
そして大きな桐箱を持ち出してきました
春慶塗の作もので、箱には「糸目一文字形吸お椀」と有りますが作者名は達筆過ぎて読めません
県内のさる旧家から出た物で元々二十客、それを知人と分け、我が家にも五客来ています、その残りの五客です
我が家の物も無事なのは三客ほどになっていますので、やっと揃いとなりました
極端に薄く引かれた木地に、糸を巻き付けたような筋目を残した素晴らしく現代的なデザインの小吸い物椀です
私が学生の時から有りましたのでかなり古い物のはずですが、このデザインは決して古さを感じさせません
はたして私たちに使いこなせるでしょうか、ちょっと心配です
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                         糸目一文字形吸お椀 

あちこちと引出しなどを開けていると
いろんな物が出てきます、そんな中ちょっと良い物を見つけました
笹の葉皿、富本憲吉のお皿のようです
薄手の葉皿に鳴門を詠んだ歌の書かれたお皿

「磯かげに乾せる鳴門■布にも旅のこころの匂ひしむもの」

「磯に出て淡路を見ればうごき来る青海ばらに波がしら飛ぶ」

「春の日の鳴門の濱の旅ごころ風に■ぼゆれ濱のうえの風」

「聲あげて淡路の磯の波高くしぶけばしまを呼ばむと思ふ」

かなり薄手で上品なお皿です、さて、何を盛りましょうか
ヒラメの昆布締め、蛸のぬた、磯の香りを盛りたいですね
しかし、五枚有るはずですが一枚足りません
母に尋ねると、自分は割った覚えが無いのでどこかに有るはず
かなり探してみましたが、見つかりません
先ほどの小吸い物椀に合いそうです
後の捜索は母に任せ、四枚だけでも持ち帰る事にいたしましょう


夏の宴に

珍味を盛って

涼しそうで良さげです

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                         富本憲吉  鳴門の歌の葉皿

by takibiyarou | 2007-05-22 06:12 | 雑観 | Trackback | Comments(0)
2007年 05月 21日

空 蝉 の 記 憶

母の煎れてくれたお茶を飲みながら
何か物色してみましょう
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                                               錫の茶心壷

「清水比庵」の歌を象眼した「器局」(煎茶道具を入れる収納箱)が有ります、いずれは貰い受けるつもりですが
すこし大きくて持ち帰るのを躊躇している物です
なので、今回も中身の物色です古い茶托や茶筒にまじって錫の茶心壷(茶入れ)を見つけました
母の話によると母方の祖父の愛用品だったようです
品格のあるシンプルな形状、しっかりと時代をその燻し色に刻んでいます、手に取るとずしりとした重みが伝わり、落ち着いた気分にしてくれます
その隣に木の葉の茶合があります
煎茶の茶合は仙媒(せんばい)ともいい、竹を二つに割っただけのシンプルなものですが、これはそうではなく趣味の茶合のようです
これを見たとたん、記憶のタイムマシンがまた始動し始めます

大きな火鉢の側に祖父が座っています、その側に一心に祖父の手元を見つめている私がいます
祖父の手には彫刻刀が握られ何か木片を刻んでいるようです
やがて木片は木の葉の姿となり、その元の方の固まりの中から「空蝉」(うつせみ)の姿が浮かび上がってきます
祖父の彫刻刀が空蝉を包んでいた薄皮を剥がしていくように刀先が動くたびにその姿がより鮮明さをましてゆきます、祖父が松材を手慰みに彫っているのです
炭火に飛んだ彫りくずが少し煙を上げ焦げる匂いが漂います、その煙さを我慢しながら茶合が彫られていく様を食い入るように見ている私がいます

目の前に有るのは間違いなくあの時の茶合、それが茶合であった事は後から知った事ですけれど
その時の記憶では白木でしたが、それからの使い込まれた歳月が透明感のある枯れ葉色に変えたのでしょうか
今では見事な琥珀色の茶合です
名品では無いけれど祖父の手になる茶合です
これからも記憶と共に大事にしましょう
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                                                祖父の手になる
                                                  空蝉の茶合
母はまだごそごそと引出しを探しています
その引出しを私も覗き込みますと、隅に折り畳んだ封筒が見えます
手に取ってあけてみると、あら なつかしや
私の中学の校章です、母が取っておいてくれたのでしょうかそれとも父の「けったいな物コレクション」の一部でしょうか、
クラス章は「3E」確かあの頃はHクラスまで有ったと記憶します
今では考えられないほどの人数ですね

古い引出しにはまだまだ思い出が隠れているようで、いつまでもそっとして置きたいのですが、母が少しずつ整理を始めたようです

あまり時間が残っていないとの思いからでしょうか





   

by takibiyarou | 2007-05-21 04:20 | 雑観 | Trackback | Comments(0)
2007年 05月 18日

週 末 帰 郷

少しゆったりのお休みも終わり
ちょうど次のお仕事との狭間の週末、父の一周忌のために帰郷してきました
間際に家内が体調を崩し私だけの帰郷となってしまいましたが
午前中に所用を済ませ午後からの新幹線に乗ります
昨年から仏事のためたびたび帰郷していますのでそれほどの懐かしさはありません
しかし故郷に帰る度に感じるこの安堵感、心地よさは幾つになっても変わりません
新幹線のホームに降りるとぞろぞろと人の波が続きます
でも、都会のそれとは何かが違うようです、同じ人の波でも気ぜわしさが有りません
みなが帰郷でも無いようですが,地方都市のホームには人を和ませるなんだかが有るようですね
時間の流れが違うのでしょうか、空気自体が違うのでしょうか
都会の駅でのあの殺気立った喧騒はなく、なんだかのんびりとした足音に聞こえるのは私だけでしょうか
そんな故郷の駅に降り立ちます
母は今回の父の一周忌の準備を一手に引き受けてがんばってきました
その、責任感が母の気力となり母の健康を維持してきたようにも感じます、明日の法要を終えて
気力が失せねば良いのですが
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                                         銅の水指
そんな心配をしながら玄関を開けます
例の「船ランプ」が迎えてくれます
「帰ったの」
いつものように母の声が奥から聞こえます
「ああ」
生返事をしながら奥にあがると母は机で俳句の整理をしているところです
「お茶、淹れようか」
眼鏡を置き、立ち上がる母の姿を見ていると先ほどの心配がなんだか取り越し苦労のように思えてきます、まだまだ大丈夫そうです
母は早速、奥から先日私が頼んでおいた「銅の水指」を出してきました、昔有った物が見つからず姉の所からよく似た物を探し出してきたようです、このところ森でお茶を煎れる機会が多く銅瓶と揃いの水指が欲しいと頼んでおいたのです、少しばかり直しが目立ちますが、まあ良いでしょう、水指ですから
母は私が最近俳句の軸を眺め、お茶を淹れるようになったのがとてもうれしいようです
少しは成長したようだと誉めてもくれます

これ幸いと、また何か提げて帰りましょう

今回母は家内と一緒に帰るのを楽しみにしていましたので、少しがっかりさせてしまいました
今晩は一緒に食事をしょうと小料理のお店に予約を入れているようです
少しがっかりでしょうが私と差し向かいで我慢してもらいましょう

叔父のよく通っている小料理屋さんです、私も何度か叔父と飲んだ事のあるお店です
家内がいれば、お山の宴の参考にと喜びそうなお料理です、私も少しメモして帰りましょう
母も久しぶりのビールに饒舌にいろいろと話し続けます
こんな時、私は聞き役に徹する事にしています、そしてやはり父の俳句の事を持ち出してきます
句集を出してからの二十年間の句を少しずつ整理してきたようです
それをまた、HPに「遺句集」としてUPせよというのです、半端な数ではなさそうです
最近は母のお弟子さん達もパソコンを扱うようです
私のHPの「五 七 五」も見てくれているそうで、いろいろと反響が有ると嬉しそうです
この間から幾つかの打ち間違いを教えて頂いたのもこうしたお弟子さんのようです
既に原稿は出来上がっているようで、あまり暇はありませんが何とかせねばならないでしょう
母の達筆を読み下し、古い漢字や旧かなづかいで入力するのは俳句の素養の無い私にとってかなりの大仕事
時間のかかる事は言い含めておきました

お酒も入りいろいろ話も出来ました

帰ってお茶でも飲みながらお道具を少し物色しましょうか

さて明日は、兄弟、甥も集まる予定です

賑やかな法事となりそうです




    

by takibiyarou | 2007-05-18 06:22 | 雑観 | Trackback | Comments(0)
2007年 02月 06日

船 ラ ン プ

三ヶ月ぶりの帰郷です
父の墓参りの後は母と差し向かいの夕飯
「何飲むかねー」といいながら、押入れをごそごそと探して
父の残したウヰスキーを持ち出します

床の間には父の遺骨に代わって見覚えのある壺と皿が鎮座しています
昔々、私が学生の頃に作り素焼きのままで眠っていた壺と皿を父が引っ張り出し
知り合いの若手作家「大嶋尚之氏」に本焼きを頼んでくれていたそうです
うれしはずかし、懐かしの再会、わざわざ届けてくださった「大嶋氏」に感謝感謝です
そして父の気遣いにも感謝です
緑がかった灰釉がしっとりと稚拙な作をカバーしてくれているようです
普段にでも使ってみましょうか

話はいつものように父の話、そして俳句の話から骨董の事
私はただ相槌を打ちながら聞くだけ
今日の母は馬鹿に機嫌が良く、お酒もかなり進んでいます
父をお墓に入れてほっとしたのでしょう

私も良い気持ちになりました

明日は去年焼失した家内の実家の再建工事の具合を見に行くことにしています

さて、今夜はほろ酔い加減のところで寝るとしましょう


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                         旧白洲次郎・正子邸「武相荘」にも有るという
                         実家の玄関にぶら下がる船ランプ

by takibiyarou | 2007-02-06 16:40 | 雑観 | Trackback | Comments(0)
2007年 02月 05日

鬱蒼の竹林に

忙しかったお仕事の方もやっと少しめどが付き
気になっていた父の墓を見に帰ってきました

お墓は郊外の国道沿いにあります
昔ながらのお墓なのでこの際少し手を入れて整備することにしたのです
しかし私が仕事でバタバタな状態で、ほとんど全部弟に頼りっきり、何ともふがいない話です
私が実家につくと程なく姉が来て父のお墓に連れて行ってくれました
近くに新築した甥っ子の家に車を置き、細い道を登ると懐かしい神社が見えてきます
昔、曾祖父が住んでいた村で幼い頃夏休みには虫取りに走り回っていたところです
おぼろげながら昔の記憶がよみがえって来るようです
神社の横に入ると竹林が続きます
鬱蒼の竹林に入るととたんに静寂に支配され今まで話し続けていた母も一瞬沈黙

能舞台の橋掛りを行くような、なんだか別の空間に入っていくような
少し厳かな気持ちにさせられます
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その竹林にひっそりと咲く藪椿を母が欲しいといいます
帰りに少し頂くことにしましょう
竹林を抜け少し下ると父の眠る墓地が見えてきました
昔は雨が降るとぬかるみ、草ぼうぼうの墓地でしたが
弟が奇麗に整備してくれました、ありがたいことです
真新しい墓石に水をかけお花を供えます

ぼちぼち日も傾きかけました

さあ帰って母との晩酌

父の思い出話を聞いてあげましょう


線香の残香を後に

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                            竹林から頂いた椿を竹の「刺し」
                            に活けました
                            「刺し」は検査のため俵からお米を抜く道具

by takibiyarou | 2007-02-05 12:17 | 雑観 | Trackback | Comments(0)
2006年 11月 17日

風 呂 敷 包 み

笠岡でのお仕事を終え、もう一度実家へ戻ります
少し「器」を物色しようとのたくらみです

父の集めた幾つかの船箪笥を開けると、懐かしい器たちとの再会です
古伊万里の小皿がありました、なかなか使い勝手がよさそうです
信楽の花入も好みです
しばらく箪笥の探索を続けていましたら、横に古ぼけた曲がった板が立てかけてあります
父がお花の敷板に使っていた古い「水車板」、大きな水輪の側板の一部です
かなり年季の入った浮き出た木目が渋く、耐えた風雪を想わせる朽かけた水車板です
余りに長い物なのでと他に目をやりますが、つい気になります
持って帰ってどう使いましょう
掛け花入の背板に良いかもしれません
色々とイメージは膨らみます、かなり持ちにくそうですが
ぐい呑も幾つか選びましょう
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そうこうしていると母が
「これ良いでしょう」
と竹の文箱を持ってきました
知り合いの旧家から出た物だそうで幾つか有るので「あげる」と言います
そして積み上げられた桐箱や水車板を見て
「持てるの?」と笑いながら
大きな風呂敷を出してきました、「紺地に格子の柄」ちょっと小粋な風呂敷です
やはり不定形の荷物は風呂敷に限ります
でも風呂敷を使うのは何年振りでしょう、いや、何十年ぶりかも知れません
久しぶりの風呂敷包み、ちょっとわくわくしますね

かなり大きな包みとなりました
これでまた置き場所の悩みが再燃ですが、それも楽しみの一つと致しましょう


火事場泥棒よろしく
大きな水車板の風呂敷包みを抱えて帰ります

玄関の“ほんもの”の船ランプを横目に見ながら




格子の風呂敷と
   朽かけた水車板

by takibiyarou | 2006-11-17 06:26 | 雑観 | Trackback | Comments(0)