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木洩れ日の森から

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2018年 09月 03日

縄文に漂う「ミシャグジ」の匂い

2018-09-03


八ヶ岳の西南にはとりわけ縄文の遺跡が多い。特に茅野市には237ヶ所の縄文中期遺跡があり、国宝に指定された土偶「縄文のビーナス」「仮面の女神」をはじめ数々の素晴らしい遺物が出土しています

先日見てきた「縄文展」でも上記の土偶はじめ、この地域からの出土品が数多く出品されていました。

そのおりに購入いたしました豪華図録を肴にして、一杯頂きながら「縄文の世界」に思いを巡らせております

しかしなぜ、こんなに標高が高く(標高800m~1000mくらい)寒さの厳しい地域に5000年から4000年の昔に爆発的に集落が形成されたのでしょうか

確かに、現在では厳冬期には-15を下回るような寒さですが、「茅野市尖石縄文考古館」様の資料を見ていますと、どうも、縄文中期あたりはもう少し暖かかったらしい、そのため当時に主に食料となったであろうドングリ、やクリ、クルミなど落葉広葉樹林が広がっていたようです、そしてその森にはシカ、ウサギ、キジやカモなどの動物たちも生息していたはず

木の実中でドングリの実はあまりにもタンニンのアクが強くそ、のままでは食べられないが、それを素焼の土器に入れて、水の流れに浸し晒す「水晒し」によりアクを取り除き、粉にひいて団子として食した(昔お仕事にて得た知識)そうであります

そのための水源も八ヶ岳の恩恵として幾筋もの流れを作り裾野に谷を作り、その谷と谷の間には台地を形成しました。この台地に人々は集落を形成し、谷を集落の境として集落ごと生活を営んでいたのでしょう。そして、もう一つ重要な事柄があるようです、それは金属を知らなかった当時、北八ヶ岳で大量に産出される天然のガラス「黒曜石」の存在が重要なポイントであったようです。霧ヶ峰産の黒曜石が北は北海道、西は三重あたりまで運ばれたことが分かっているらしい。

そんな好条件に恵まれたこの地に、縄文の花が咲いたのでしょうか。

確かに、納得のいく説明ではあります、有りますが、しかし、しかしですよ、私のお酒の回った頭には、少し引っかかる所もあります

上記の好条件が満たされたのが、果たしてこの地だけで有ったのでしょうか

確かに本州の中での黒曜石の産地は神津島を除けば八ヶ岳周辺に集中する、このことは否定は出来ません。しかし黒曜石=ナイフ・包丁と考えるなら毎日消費する物でもないはず、当時の流通がかなり広範囲に及んでいたことはご承知の通り、そこに黒曜石を掘り出し製品として各地に送り出していた集団がいたことは想像に難くない。しかし果たしてそれだけがこの地に縄文の花を咲かせた要因なのか・・・

私にはどうしても其れだけだとは思えないんです。現代の資本主義的要因だけではない「何か」が介在してはいないだろうか、なんだかそんな気がして仕方が無いのであります。もちろん、それが何なのか、その影すら見えてはいないですが。

実は今、中沢新一氏の著書「精霊の王」を読んでいます。

この八ヶ岳山麓、諏訪の地は実は多くの謎に満ち溢れています、諏訪といえば「諏訪大社」、諏訪大社は「出雲」の大国主命と「越の国」(糸魚川)の沼河比売(ナヌカワヒメ)との子供「建御名方神」(タケミナカタノカミ)を祀るとされています。天照大御神の孫・邇邇芸命(ににぎのみこと)の降臨に先立ち、建御雷神(たけみかづちのみこと)が大国主神国譲りするように迫ったとされる。これに対して、大国主神の次男である建御名方神が国譲りに反対し、建御雷神に戦いを挑んだが負けてしまい、諏訪まで逃れた。そして、以後は諏訪から他の土地へ出ないこと、天津神の命に従うことを誓い、この地に祀られる。とされているがしかし、この諏訪大社にはもうひとつの神が祀られているのです、それが「ミシャグジ」と呼ばれる謎の神なのです。

歴史学者は、かつての勢力が出雲の勢力に征服されたと解釈するが、果たしてそうなのか、現在までも諏訪大社において「ミシャグジ」は決して葬られた存在ではない、今なおその存在は認知され多くの神事として祀られているのです。しかし「ミシャグジ」は現在までほとんど解明されてはいない、そしてこの諏訪大社には、通常の神道とはかけ離れた多くの神事が執り行われています。

有名なのが「御柱際」7年ごとに行われる毎年死者も出るほどの奇祭であります(ソロモンの木の柱をアシラと呼び神として祀る)。そして「御頭際」、柱にくくりつけられた少年に刀を振り上げる神官に対し、別の神官が現れ頃を止める、そして少年の命の代わりに75頭の鹿の頭を捧げる、神道の神社ではかなり珍しい奇祭です(旧約聖書のアブラハムとその子イサクの逸話に酷似)。そして諏訪大社の裏手にある奥の院的な「守屋山」(前記のアブラハムとその子イサクの話の舞台はモリヤ山)の存在などから、「古代イスラエルの失われた十支族」との関連(日ュ同祖論)として騒がれることともなります。まだまだ通常の神道神社との相違、を上げると切がありません。そんな諏訪大社の底に流れる信仰「ミシャグジ」とは何なのか。民俗学者「柳田邦夫」はその著書「石神問答」で何とか「ミシャグジ」に迫ろうとしている、「ミシャグジ」が「石棒」と密接に関係していること、そして「宿神」(芸能の神)との関係そして全国に点在する「シャクジ」「ミジャグジ」「シャクジン」「シュクノカミ」等々の呼び名から「サ行音+カ行音」の結合を見出し、この形をした音の結合から物事や世界の「境界」を意味することを解き明かす。

そんな「ミシャグジ」に中沢新一氏なりの手法で迫ろうとしている著書「精霊の王」、なかなか面白いのですが、なかなか前に進めない

蹴鞠の名手「侍従成通卿(藤原の成通)」と「鞠の精」

古代ユダヤからの渡来人ではとの噂の「秦河勝」と猿楽者「金春禅竹」そして「翁」と「宿神」

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中沢新一氏の文章かなり読みやすいのですが

私にはあまりに知らぬことが多すぎる

この著書、どこまで解読できますかは解りませんが

理解とは少し違うところで、引き込まれる著書

非常にまとまりの無い文章は

私の頭の中の現れです

もう少し、読み進めてみますか、ねー




by takibiyarou | 2018-09-03 22:00 | 雑観・雑考


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