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木洩れ日の森から

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2007年 06月 05日

こ と ば 巡 り

先日の帰郷で母から、父の「遺句集」のデータ化とHPへのUPを仰せつかってしまいました
句集「山の音」を出してからの約二十年間の俳句です
父が病に倒れてから、母が少しずつ整理をしてくれていたようで
その中から約六百句ほどを選び「遺句集」としてUPせよと申します
俳句の素養の無い私にとってはかなり大変な作業です
幸い、お仕事の切れ目で暇はありますので、重い腰を上げることに致しましたが
母のくずし文字を解読し旧漢字や季語、専門用語を検索し、たどたどしい指使いで入力です
かなりの労力を要します

最初は老眼と肩凝りとの闘いでしたが、しばらく進めていくほどに、俳句には素敵な「ことば」や不思議なことば
そして意味不明なことばがちらばめられていることを再認識させられ、少し楽しくなってもきました
特に季節を表す「季語」には素敵な「ことば」、表現がたくさんあります
なるほど、目にも、音にも素敵に響くそんな「ことば」たちを操っての楽しみが、少しは解る気がしてきます
多分まだまだ気がしてきただけのことですが

あげると切がなさそうですが、父の句に出てくるそんな「ことば」を例に上げてみますと

日本では昔から月にもいろいろな名前をつけてきました「三日月」「上弦、下弦の月」「満月」などは一般的ですが
「待宵の月」(まつよいのつき) 月齢(陰暦)14日の月、満月の1日前。翌日の満月を楽しみに待つという意味
「立待月」  (たちまちづき)…月齢(陰暦)17日前後の月
「居待月」  (いまちづき)…立待月の翌日、月齢(陰暦)18日前後の月
「寝待月」  (ねまちづき)…居待月の翌日、月齢(陰暦)19日前後の月
満月やその翌日の月が見えない場合に、まず立って待ち、それでもやはり見えなければ座って待ち、それでも見えなければ寝て待つ
という、月を待つ人々の心情を表わした言葉だそうです
そして
「末黒野」(すぐろの)
 春先、害虫の駆除と肥料のために畦や野を焼くことがあります、その野焼きの後黒々と広がる大地のこと
「花疲れ」は花見疲れ
「青嵐」
 初夏のころ、青葉の上を吹きわたる風”という意味。「あおあらし」とも「せいらん」とも読みます
「魚島時」
 四~五月になると鯛や鰆などが海面にあたかも島のようになってひしめきあう
 この時期を「魚島時」というそうです
「木下闇」(こしたやみ)
  真夏の木立に出来た深遠な蔭、闇
「虎落笛」 (もがりぶえ)
 冬の夜、轟々と鳴る風のなか、ぴゅうぴゅうと、ぴぃぃと、時には長く短く、高く低く
木の枝や電線、柵や竹垣の間など、強風が狭い場所を一気に駆け抜ける時
 それが虎落笛の正体のようです

こうやって、ことば巡りをして見るのもなかなか楽しいものですね


目借時

蛙達と目を奪い合いながらの作業です

その甲斐あってか

父の「遺 句 集」も 近々UPできそうな予感です


まずは第一部


こ と ば 巡 り_d0082305_6343499.jpg

                           ノエルの森の「アマドコロ」

by takibiyarou | 2007-06-05 06:34 | 雑観


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