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木洩れ日の森から

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2007年 11月 15日

蕉門十哲 その六

今回のお仕事も今日で何とかなりそうです
これからすこし仮眠して「点灯式」のリハーサル
そして今晩がその本番です
うまくすると、明日はお休みかな
ノエルの森が楽しみです

そんなこんなで、今回は蕉門十哲

向井去来(むかいきょらい)

(慶安4年(1651)~宝永元年(1704.9.10)

肥前長崎に儒医向井玄升の次男として誕生。生年の月日は不祥。本名向井平次郎。
父は当代切っての医学者で、後に京に上って宮中儒医として名声を博す。去来も、父の後を継いで医者を志す。 兄元端も宮中の儒医を勤める。
去来と芭蕉の出会いは、貞亨元年、上方旅行の途中に仲立ちする人があって去来と其角がまず出会い、その其角の紹介で始まったとされている。
篤実とか温厚とか、去来にまつわる評価は高いが、「西国三十三ヶ国の俳諧奉行」とあだ名されたように京都のみならず,西日本の蕉門を束ねた実績は単に温厚篤実だけではない卓抜たる人心収攬の技量も併せ持ったと考えるべきであろう。後世に知的な人という印象を残す。
嵯峨野に落柿舎を持ち、芭蕉はここで『嵯峨日記』を執筆。『去来抄』は芭蕉研究の最高の書。
墓は京都嵯峨の落柿舎裏にひっそりと残っている。その規模の小さなことは、高浜虚子の歌「凡そ天下に去来ほどの小さき墓に詣でけり」がよく表している。

蕉門十哲 その六_d0082305_10455181.jpg




    応 々 と い へ ど た た く や 雪 の 門

  


    雪がしんしんと降り、訪れた客が門の戸を叩いている。
    “おうおう”と返事をするのだが客には聞こえないらしい。
    早く開けてとたたいている。
    
    この雪の門は去来の隠居所でもあり俳諧の道場でもあった嵯峨野「落柿舎」でしょうか

    雪の降りしきる落柿舎の門を叩く様が想像されますね
    
   
    






一畦はしばし鳴きやむ蛙哉(『蛙合』)

岩鼻やここにもひとり月の客

何事ぞ花みる人の長刀 (『あら野』)

名月や海もおもはず山も見ず (『あら野』)

月雪のためにもしたし門の松 (『あら野』)

鶯の鳴や餌ひろふ片手にも (『あら野』)

うごくとも見えで畑うつ麓かな (『あら野』)

いくすべり骨おる岸のかはづ哉 (『あら野』)

あそぶともゆくともしらぬ燕かな (『あら野』)

筍の時よりしるし弓の竹 (『あら野』)

涼しさよ白雨ながら入日影 (『あら野』)

秋風やしらきの弓に弦はらん (『あら野』)

湖の水まさりけり五月雨 (『あら野』)

榾の火に親子足さす侘ね哉 (『あら野』)

手のうへにかなしく消る螢かな (『あら野』)

ねられずやかたへひえゆく北おろし (『あら野』)

鴨鳴くや弓矢を捨てて十余年(『いつを昔』)

露烟此の世の外の身請け哉(『続虚栗』)(遊女の死に向けて)

いなづまやどの傾城とかり枕 (『梟日記』)

箒こせまねてもみせん鉢叩き (『いつを昔』)

つかみあふ子供の長や麦畠  (『嵯峨日記』) 

蝸牛たのもしげなき角振りて (『嵯峨日記』)

一昨日はあの山越へつ花盛り (『花摘』)

花守や白きかしらを突あはせ(『蘆獅子集』・『炭俵』)

振舞や下座になをる去年の雛 (『猿蓑』)

あら礒やはしり馴たる友鵆 (『猿蓑』)

尾頭のこゝろもとなき海鼠哉 (『猿蓑』)

ひつかけて行や吹雪のてしまござ (『猿蓑』)

うす壁の一重は何かとしの宿 (『猿蓑』)

くれて行年のまうけや伊勢くまの (『猿蓑』)

心なき代官殿やほとゝぎす (『猿蓑』)

たけの子や畠隣に悪太郎 (『猿蓑』)

つゞくりもはてなし坂や五月雨 (『猿蓑』)

百姓も麥に取つく茶摘哥 (『猿蓑』)

螢火や吹とばされて鳰のやみ (『猿蓑』)

夕ぐれや屼並びたる雲のみね (『猿蓑』)

はつ露や猪の臥芝の起あがり (『猿蓑』)

みやこにも住まじりけり相撲取 (『猿蓑』)

君が手もまじる成べしはな薄 (『猿蓑』)

月見せん伏見の城の捨郭 (『猿蓑』)

かゝる夜の月も見にけり野邊送 (『猿蓑』)

一戸や衣もやぶるゝこまむかへ (『猿蓑』)

柿ぬしや梢はちかきあらし山 (『猿蓑』)

梅が香や山路獵入ル犬のまね (『猿蓑』)

ひとり寝も能宿とらん初子日 (『猿蓑』)

鉢たゝきこぬよとなれば朧かな (『猿蓑』)

うき友にかまれてねこの空ながめ (『猿蓑』)

振舞や下座になをる去年の雛 (『猿蓑』)

知人にあはじあはじと花見かな (『猿蓑』)

鳶の羽も刷ぬはつしぐれ (『猿蓑』)

鶏もばらばら時か水鶏なく (『猿蓑』)

春や祝ふ丹波の鹿も帰とて (『炭俵』)

朧月一足づゝもわかれかな (『炭俵』)

うのはなの絶間たゝかん闇の門 (『炭俵』)

すヾしさや浮洲のうへのざこくらべ (『炭俵』)

名月や掾(縁)取まはす黍の虚 (『炭俵』)

芦のほに箸うつかたや客の膳 (『炭俵』)

瀧壺もひしげと雉のほろゝ哉 (『續猿蓑』)

のぼり帆の淡路はなれぬ汐干哉 (『續猿蓑』)

萬歳や左右にひらひて松の陰 (『續猿蓑』)

立ありく人にまぎれてすヾみかな (『續猿蓑』)

寐道具のかたかたやうき魂祭 (『續猿蓑』)

凉しくも野山にみつる念仏哉 (『續猿蓑』)

白川の屋根に石おく秋の風(『伊勢紀行』)

by takibiyarou | 2007-11-15 06:49 | 雑観


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