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木洩れ日の森から

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2009年 05月 01日

庵 の ぬ れ 額

庵名(いおりな)などを彫った額を扁額と呼びますが
その外に掲げた物を「濡れ額(ぬれ額)」と呼ぶようです
中でも魯山人のぬれ額は有名ですが

戯れついで
リホームの仕上げに、草庵の「ぬれ額」など彫ってみましょうか
勿論私に書の嗜みなどありません
書の方は家内のお師匠さん「黒澤白山」先生にお願いたしました
どんな書体で書きましょうかとのお尋ねに
素人の私が彫るのですから
難しいハネやカスレの少なそうな「篆書体」でお願いしようと思います
調べてみますと、「篆書体」の扁額やぬれ額はあまり無いようなのですが
「けったいな物好き」の草庵なのでいいでしょう
お茶室でもないただの草庵ですので、あまり仰々しく無いのがいいですねー
たいていの扁額は立派な自然木の横書きです
なので、縦書き
彫りは「かまぼこ彫り」
文字色は緑青色、いや、やはり白でしょうか
お茶室ぽくなり過ぎるかもしれませんけどね
そして落款印は朱色
欅の自然木を使いたいのですけど
いま注文していますのはカウンター用
すこし幅がありすぎです、やめておきましょう
料理屋さんと間違えられそうです

もう少しさりげないのを探そうと、巨大ホームセンターのテーブル用などの自然木のコーナーで
端切れの板を物色します
かなり変形の葡萄杢と巨大欅の枝元あたりであろう板、割と普通な栗の板
候補三枚を選び出し、並べて思案
葡萄杢は値段も良いし、チョッと気取った感じです
栗の板は手ごろな大きさなのですが、あまりに普通すきます
欅の枝元の板、荒削りで風雨にさらされたような風格があります
少し大きすぎるのですが
家内の意見を求めますと、やはり欅の板が良いと言います
他の板は綺麗に磨かれているのですが、この板だけは「うづくり」を思わせるような肌合いです
樹皮下のミミズの這ったような虫食い跡も風情です
庵 の ぬ れ 額_d0082305_9103914.jpg

これにしましょう

本当は、破風の下に掲げるのでしょうけれど

それではあまりに大げさ過ぎます

軒下の

小壁にそっと掛けますか

などなどと、構想はずいぶんと膨らむのですけど

さて、果たして巧く彫れますでしょうか

先生の書を

貶めぬように

by takibiyarou | 2009-05-01 06:25 | 猩壺庵


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